——アヴちゃんが言う通り、本当にすごいバランスで成り立ってると思う。“Q”からの後半と前半も違和感があるようで一貫して溶け合ってるし、他ではありえない。
アヴちゃん「みんながアルバムをどういう気持ちで作ってるかわからないけど、私たちは毎回愚直に曲を作りたいと思っていて。『いま僕たちはこれにハマってますコレクション』でも『こういうモードですセレクション』ではないんです。終わり方とはちょっとしたところにもその差が如実に出る気がしてる。軽音部に入りたいから楽器始めた人間と、どうしようもないヌワッというのを体現したくて楽器を取った人間ではやっぱり全然違うと思う。うちらはメンバー全員後者だから涌き続けるけど、ないものを出すなんてどんなに辛いかと思うもん。どこと繋がってるから偉いみたいに徒党を組んできたんと違って、女王蜂は歪かもしれないけどどこにも属さず、必死に芽を出して咲いたから今後枯れないと思う。異端扱いされてたけど、うちらこそがドセン(ど真ん中)やから。エンジンが巨大すぎて回すのに準備が必要だったけど、ついに起動した。その瞬間をジャケにしたのね。絶対に止まらないし、このままラピュタのように土ごと飛ぶだけ」
——だから少年の物語なのかもしれませんね。少年性はある意味ピュアネスにも通じるから、俗なところに対しての真逆な存在として。
アヴちゃん「そうだね。男でも女でもない無邪気な存在。女の子ももちろん無邪気やけど、少年は少ない年で、少女は少ない女って書くやんか。女の子は小さくても女だから、何者でもない少年性に憧れるんかなとか。個人的な解釈やけど、キリスト教も少年性やし、少年は最強の偶像なんやと思う」
——そうかもしれない。そういえばマンガも見せてもらったんですけど、初めてだとは思えないコマ割りだし、ムードが際立っていますね。
アヴちゃん「ほんと? 拙いけど、熱量はすごいと思う。今回なにを描いても軽やかなのは、岡キョン(岡崎京子)から受けたものが大きくて、私なりの『リバーズ・エッジ』ができた気がする。瘴気が立ちこめたところにスッと行って、取って帰って来ちゃうのは一緒だと思うのね。『えっ、危ないところだったの? 知らなかったあ』みたいな。少年性といばら姫とか色々やって、人によってはタブーを侵していると言う人もいるけど、私はそう思えなかったし。
私はどれだけ瘴気が立ちこめるところに行って帰ってきても、女王蜂のみんなが一緒にやってくれるからほんまに幸せやと思う。レコーディング中に同時並行でマンガも描いてて、ひばりくんがブースでギターを入れて戻ってきたらベタ塗りするみたいな光景が繰り広げられてて(笑)。マンガは4人で作ったから線入れとかスクリーントーンを貼るのとかもやってもらったのね。超楽しかった。笑えるよね。もうね、みんな大好きです! かわいいし、上手いし、天使。あの子たちがいないと音楽ができない!」
——(笑)。でもそれ本心ですよね?
アヴちゃん「うん、女王蜂はやれない。あの子たちはどんな絵コンテ描いてもやりきるから。どんな曲を持ってきても絶対やってくれる」
——その信頼感が機動力になって、エンジンが回り出したというのもあると思います。
アヴちゃん「あるよね。私も絶対いいものを持って行こうと思うし、全員が攻めてる。オフェスしかいないし、ゴールキーパーも審判もイエーイって言っちゃう(笑)。でも最近メンバーに好きって言い過ぎて、『あ、はい、大丈夫です』って流されてます(笑)」
——(笑)。最後に、これからの展望を聞かせてください。
アヴちゃん「この最高傑作を持って、ツアーをやります。やっと名前を教えてくれた少年の頭文字がQで、それがなにを意味するか好きに取っていただいていいと思う。でもライヴに来てくれる人には答えを用意しておきたいから『A』とつけました。まずはそれをお楽しみにというのと、今回たくさんの素敵な人たちにコメントをもらったし、全部をトリガーにして勝ちに行きます。いまはシーンもSNSでも速度が求められていて、徒党を組んで数を稼ぐみたいなことになってるけど、私は今後それが通じなくなってくると思う。共感の時代は終わるから、モラトリウムで苦しんだけど自分を貫いたチャームがある人間が真価を発揮する。そのドミノが裏返る瞬間を見たくて戦ってます。私たちはこれまで負けないとは言ってたけど、勝ちに行くとは言ってこなかったのね。でもついに言うよ、勝ちに行きます。至上主義上等!」
photo Shuya Nakano
hair&make-up mahiro
styling Demi Demu(AVGVST)
computer graphics NAKED(http://naked-inc.com)
direction&interview Ryoko Kuwahara
Griitter Top /MSGM ¥64,000 / AOI
Pants / MSGM ¥48,000 / AOI
Dress / Courrèges ¥181,000 / TFC
Bracelet / Stylist Own
Shoes / Courrèges Refarence Products / TFC
Dress / TOGA ¥89,000 / TOGA HARAJUKU STORE
Shoes / Reebok Zoku Runner
Knit Bra / TOGA ¥42,000 / TOGA HARAJUKU STORE
Laminate Skirt / TOGA 36,000(参考) / TOGA HARAJUKU STORE
Bag Green, Red共に / MSGM ¥43,000 / AOI
Long Boots / TOGA ¥148,000 / TOGA HARAJUKU STORE
AOI
TEL 03-3239- 0341 (main number)
http://www.aoi-net.co.jp
TFC
TEL 03-5770-4610
http://www.tfcjapan.jp
TOGA HARAJUKU STORE
TEL 03-6419-8136
http://www.toga.jp
女王蜂
『Q』
4月5日発売
(SONY MUSIC ASOCIATED RECORDS)
初回盤(CD+DVD): 3800円(tax in)
通常盤(CD): 2800円(tax in)
Disc-1(CD)
01. アウトロダクション
02. 金星 Feat.DAOKO
03. DANCE DANCE DANCE
04. しゅらしゅしゅしゅ
05. 超・スリラ
06. 失楽園
07. Q
08. つづら折り
09. 雛市
Disc-2(DVD)初回盤のみ
~収録予定映像楽曲~
※全国ツアー「金星から来たヤツら」Final(2016.07.09 at Zepp DiverCity)より
01.金星 02.ヴィーナス 03.スリラ 04.折り鶴 05.告げ口 06.鬼百合 07.始発 08.緊急事態
※Music Video
01.金星 02.DANCE DANCE DANCE 03.失楽園 04.Q 05.アウトロダクション
*アヴちゃんによる描き下ろしマンガを含む全52ページ豪華初回盤ブックレット
4月6日(木)神戸VARIT.を皮切りに、全国ツアー2017「A」を開催。
詳細:http://www.ziyoou-vachi.com/live/index.html
チケット:http://eplus.jp/sys/main.jsp?uji.verbs=GGWP03_search&uji.id=search&uji.bean=G.apl.web.bean.JOAG010201Bean&ZScreenId=GGWA01&uketsukeInfoKubun=001&keyword=%8F%97%89%A4%96I&siteCode=1221&__ncforminfo=YhLKVKwkWEU-ijZaTPbXWgungdstlTganvIfYmKFi752_UbX_IK5xcEPQVM
女王蜂
アヴちゃん(Vo)、やしちゃん(Bass)、ルリちゃん(Drums)、ひばりくん(Guitar)。2009年神戸にて結成。2010年7月 FUJI ROCK FES「ROOKIE A GO-GO」に出演。同年11月 ファッションブランド[ヒステリックグラマー]のシークレット・パーティ出演。2011年インディーズにて初の全国流通盤『魔女狩り』を発売し、1万枚の売り上げを記録。9月、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりメジャーデビュー盤『孔雀』をリリース。収録曲“デスコ”が大ヒット映画『モテキ』メインテーマに起用され、本人役で映画初出演を果たす。2012年5月、メジャー2作目となるアルバム『蛇姫様』をリリース。LIVE・リリース共に精力的に活動し、話題沸騰の中、Gtギギちゃんの利き腕の不調による脱退に伴い、2013年にバンド活動を休止。2014年2月、約1年間の活動休止期間を経て活動を再開。活動再開後、NHK「あさイチ」にて地上波初登場を果たし、再び注目を浴びる。2015年1月テレビ東京ドラマ「怪奇恋愛作戦」の主題歌“ヴィーナス”を書き下ろし、初のシングルリリース後、3年ぶりのフルアルバム『奇麗』をリリース。夏には5年ぶりの FUJI ROCK FESTIVAL2015へ出演。
2016年対バンイベント「蜜蜂ナイト」を主催し、 ’’KEYTALK‘’ ’’Tommy heavenly6’’ ‘’チームしゃちほこ’’ などと異例の2マンライブを開催。5月にはVoアヴちゃんによる別プロジェクト’’獄門島一家’’とのスプリットシングル「金星/死亡遊戯」をリリースし、ノータイアップにしてオリコンデイリーチャート20位を記録。また自身最大規模の全国ワンマンツアーを開催し、7月にはツアーファイナルとしてZepp DiverCity公演も成功を収めた。2017年4月05日に2年ぶり5枚目のアルバム『Q』をリリース。今後の活動にも注目が集まっている。
http://www.ziyoou-vachi.com/
宇宙特集
『Voyage of Time : Life’s Journey』Sophokles Tasioulis Interview
https://www.neol.jp/culture/54182/
画家・笠井麻衣子インタビュー
https://www.neol.jp/culture/55162/
BO NINGEN Special Shoot & Interview
https://www.neol.jp/culture/55272/
画家・淺井裕介インタビュー
https://www.neol.jp/culture/55358/
写真家・永瀬沙世インタビュー
https://www.neol.jp/culture/55648/