アンファン・テリブルとは使い古された言葉だが、RIKU IKEYAの活動を見ているとそう形容せざるをえない。14歳で写真を始め、15歳で自身のブランド「comme je suis」をスタート。ZINEの発行や映像編集、キャスティングも手がけ、東京のシーンの中心部として一挙一動に注目が集っている。特集テーマである「△」を題材にRIKU IKEYAに撮りおろしてもらった作品とともに、彼の日々の生活や思考についてのインタビューを掲載する。
——服作りと写真を手がけるようになったきっかけを教えてください。
RIKU「中学2年の頃、趣味で写真を始めたんです。祖父が一眼レフを持っていて、それを使って友だちを撮ったりしていたのが最初かな。服は、中学3年の頃から作り出しました。ダンスをやっていたんですが、ヴィジュアルがかっこいいダンサーやラッパーが多くて、見ていくうちに服を好きになりました。自分でもチームのTシャツを作ったりしていて、タイミングが重なって15歳の時にブランドを立ち上げました。ダンサーの知り合いが工場をやっていたので、そこにお願いしてスタートして。だからどちらもすごく自然な流れでやり始めたんです」
——ブランドが広まっていったのはどういうプロセスだったんですか?
RIKU「最初はcomme je suisのロゴだけをプリントしたTシャツを作っていて、それをダンサーの友だちが着て広めてくれた感じです。あと、インスタグラムで繋がったモデルのILLIANが着てくれたり、ルックのモデルも引き受けてくれて。お金がなかったから最初はルックを作ろうとも思ってなかったんですけど、そうやって友だちがモデルをやってくれることになったので自分で撮ってみたら思い描いていたものがすぐに撮れた。それで撮影からキャスト、スタイリングまでを全て自分でやって、ルックを作るようになりました」
——comme je suisのあの顔のイラストも自分で描いたんですか?
RIKU「そうです。授業中に描きました。授業中は鶴をおるか、顔を描くかばかりで(笑)」
——まだ高校生なので、これから服飾を学校で学ぶということも可能なんですよね。なんだか不思議だけど。
RIKU「専門の学校に行ってないからこそ型がなく、カウンターから自由に攻められるというのもあります。作りたいものを作りたいし、なにが評価されるんだろうなんて考えない。イチかバチかみたいな勝負を続けたいし、作りたくなくなったら辞めます」
——潔い。その作りたいものを形にしていくプロセスはどういう感じですか?
RIKU「シーズンテーマは毎回特になく、自分の感覚に引っかかってきたものを形にしていくだけです。アイコン的な人もそうだし、傍にいる友だちとか。あと、音楽は確実に影響します。MVを観てスーツを作ろうと思ったり。学校に行って、遊んで家に帰って、寝る前に作り始めるんですけど、できるだけギリギリまでやりたくないんです。好きで自然に頭の中にインプットされているものが、追いつめられた時に活性化してパッと形になって出てくるから。2018 AWは自分が18歳になって着ても恥ずかしくない服にしたいです。これまでは若者目線でしたが、そうしたスーツなんかも入れて、祖父にも着てもらえるような年齢を問わない服にしたいですね」
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