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text by Kunichi Nomura

△特集:Movie Selection by Kunichi Nomura

三角をお題に原稿を書け、それもジャケでも三角関係でもなんでもいいから映画でと言われると、尖るよりも丸く、和をもって福となす、をモットーに生きる俺としては非常に困る訳なのです。


まぁじゃあ一つ考えてみるか!と気を取り直して映画に関して三角が色々あるかなぁと考えてみれば結構これがまた沢山あったんですよ。三角関係が。というかですね、恋愛関係というか人間関係を描く映画の半分くらいは三角関係くらいじゃないとお話にならないんじゃないかと思うくらい多い。


カップルがいて、どちらかに好きな人ができたから別れるというだけじゃ物語が書けないというか、3者が互いに知り合いでそれぞれの気持ちを薄々と知った上で平静を装いながら仲良くしていく話とか。それこそ薄氷の上を歩くような微妙なバランス感覚が必要とされながら、永遠にこんな時間が続く訳がないことを自覚しつつ過ごす日々を描くとか。まぁそれこそザ・人生なのですが、三角関係にはその全てが詰まっているんだなぁと思い知らされた訳です。


親友と彼女を天秤にかけつつ、そのどちらかを選べないとか、絶対思いは叶わないことを知りながら道化を演じるとか。諦めがつかないじれったさ。誰がが美しく身を引くことでその関係が終わることもあれば、サクっと裏切られてしまう残酷な結末を迎えることもある。思えば俺が最初に知った三角関係とは漫画の「タッチ」だったか、それとも「気まぐれオレンジロード」だったか。いや、ガンダムのアムロとシャアとララァだったかもしれない。とにかく漫画だったことは間違いない。子供心に「なんじゃそりゃ!」と突っ込みながら永遠と毎週続く三角関係に一喜一憂したもの。大体一人のキャラに肩入れする訳で、早くもう片方が振られちまえとか、いい加減ビシッと決めろと思いながら、三角関係に結末がつくと、それはそれで以上に寂しいと知ったのもまた漫画からだった。かっちゃんは全く好きになれなかったが、死んじまったらお終いだろマイブラザーという気分になったし、女はロン毛と信じていた小学生時、あぁひかるが邪魔だと思ったが、いざとなれば可哀想だと思う訳だ。決着をつければララァだって死ぬし。


 そうやって知った三角関係というものが映画の世界にもめちゃくちゃ活かされている訳だ。逆に6本選んで下さいと言われても無理じゃん、と思うほどに。2本見れば1本は三角関係だよくらいの気持ちで映画を考えるとして、この関係は何もかもに決着をつけきれないという曖昧さが有るけれど、互いを思いながら、決着をつけない良さも有るのだなぁと思うに至った。これが二者間の話になると、もめたり勝者と敗者が生まれるが三角関係はその関係さえキープしている間はなんだかんだ皆幸せなんじゃないかと。そしてそれは何も恋愛や友情の話だけではなくて、国の話とかにもあるのではないかとね。2大政党とかさ、3つにした方がいいよ。2国間協議もさ、3カ国にした方がいいよ。それで誰が勝者となるのでなく、ギリギリのバランスでそれを保つ。そんなことまで考えるようになったよ。ありがとうネオエル。


realitybites


『リアリティ・バイツ』(1994)


somekindofwonderful


『恋しくて』(1987)


lesaventuriers


『冒険者たち』(1967)


onceaponatime


『ワンス・アポン・ア・タイム』(1984)


happytogether


『ブエノスアイレス』(1997)



野村訓市/Kunichi Nomura
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NeoL Magazine JP | Edit: Ryoko Kuwahara | Photo Edit : Ryoko Kuwahara  |Photography: Shuya Nakano | Hair&Make-up: mahiro | Model: Sharar Lazima |

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In Case Of Sharar Lazima
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平野紗季子「エゴイスティックトライアングル」
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△特集:Shuya Nakano Interview
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