—映像的に特に好きなシーンはありますか?
ギャスパー「やっぱり、最後のシーンの光が効果的な演出は良かったよね。グザヴィエの作品の中でも『トム・アット・ザ・ファーム』に近い部分があって、暗くてコントラストが強くて、濃密で。『Mommy/マミー』は光にあふれたカラフルな作品だったけど、本作は暗くて少し冷たい感じなんだ」
—ストーリー的に印象に残っているシーンは?
ギャスパー「ストーリー的な部分では、母親とルイが小屋で話すシーン。ルイの視線がカメラの方に向いていて、彼の主観的なショットで、カーテンが少し揺れていて…時が一瞬止まっているかのような、あの瞬間が好きなんだ」
—すれ違う家族のありようというテーマは、人にとっては痛いほど理解できるのではないかと思います。ご自身と照らし合わせて感じたことはありますか?
ギャスパー「誰にとっても他人事ではないテーマだと思う。僕も理解できる部分があったし、彼らの関係性の中に自分自身を見出す部分があったよ」
—いつかもし俳優としてグザヴィエ・ドランと共演するとしたら、どういった作品に出演したいですか?
ギャスパー「グザヴィエはドラマ作品が好きなんだ。彼にとってモチベーションになるのはドラマ性だよ。コメディでもなく、アクション映画でもなく、シリアスな作品がいいんじゃないかな。役者としても素晴らしいよね。監督作の『トム・アット・ザ・ファーム』は、役者としてもすごく良かったよ」
photo Shuya Nakano
interview & text Nao Machida
edit Ryoko Kuwahara
『たかが世界の終わり』
第69回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門グランプリ受賞
2017年2月11日(土)新宿武蔵野館 ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
出演:ギャスパー・ウリエル、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ナタリー・バイ
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