フラン「でも、こうして活動を続けてこられたのは、何らかの方法で皆が曲を聴いてくれている、ということだ。もちろん、レコードが売れれば素晴らしいよ。それによってツアーができたり、次の活動に繋がったりするわけだから。個人的な支払いもまかなえるしさ(苦笑)。でも、それが俺たちの目標だったことは一度もない」
ダギー「それはないね。つまり俺たちは、狙ってではなく、たまたま、本当に純粋にたまたま大きな成功を手に入れたバンドであって、それは大いなる幸運であり、あるいは間違いであって(苦笑)。みんな誤解してると思うんだよね。バンドというのは、曲がとっつきやすく、好意的なレヴューを書いてもらえらたり、ラジオで流してもらえるような分かりやすさがあれば、メッセージがすぐに伝わって、商業的に成功という考え方は神話というか、誤解だと思うよ。だって、僕らは全然そうじゃないのに、独自の一本道を、それも変わった道を変わった歩き方で進んできたら、こうなったんだから。悪いけど、批評家やジャーナリストは何もわかってないよ」
一同「笑」
ショウ「実は、僕らはコマーシャルになろうと頑張った時期があって……」
フラン「頑張ってる時はうまくいかないもんだよな」
一同「笑」
フラン「“これって、すごく売れ線じゃん!”なんて思うと売れなかったりする。それに、もしそこで売れたとしても、壁紙はどんどん張り替えられていくからね。その時の壁紙に合わせようとしてみたところで、6か月後にはまた違う壁紙になっている。人の趣向はそうやってどんどん変わっていくものだから、たまたま、その時の流行りに合致したとしても、流行りが変わってしまったら、またズレてしまうんだ。だから、大事なのは、自分で自分の壁紙を堂々と貼ること。その壁紙の前でなら常に自分が一番でいられる。自分らしくやるしかないんだよ。好きなことを貫けるかどうか、だ」
ショウ「なるほど」
フラン「壁紙が変わっても、自分のやってることが好きだと言い続けられるかどうか。そこに真実がある。真実っていうものはね、必ず人にも伝わるものなんだよ。心を込めて鳴らした鐘は遠くまで響いて伝わっていく」
ダギー「難しいことだけどね」
ショウ「そうですね」
フラン「実際にやるのは大変だ」
ショウ「僕らもいい意味で諦めたというか、開き直ることができました」
ダギー「その方が自分たちらしいと感じたわけだね」
ショウ「そうですね」