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text by Yu Onoda
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Shuya Nakano

OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.15 Travis × オカモトショウ

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フラン「でも、こうして活動を続けてこられたのは、何らかの方法で皆が曲を聴いてくれている、ということだ。もちろん、レコードが売れれば素晴らしいよ。それによってツアーができたり、次の活動に繋がったりするわけだから。個人的な支払いもまかなえるしさ(苦笑)。でも、それが俺たちの目標だったことは一度もない」


ダギー「それはないね。つまり俺たちは、狙ってではなく、たまたま、本当に純粋にたまたま大きな成功を手に入れたバンドであって、それは大いなる幸運であり、あるいは間違いであって(苦笑)。みんな誤解してると思うんだよね。バンドというのは、曲がとっつきやすく、好意的なレヴューを書いてもらえらたり、ラジオで流してもらえるような分かりやすさがあれば、メッセージがすぐに伝わって、商業的に成功という考え方は神話というか、誤解だと思うよ。だって、僕らは全然そうじゃないのに、独自の一本道を、それも変わった道を変わった歩き方で進んできたら、こうなったんだから。悪いけど、批評家やジャーナリストは何もわかってないよ」


一同「笑」


ショウ「実は、僕らはコマーシャルになろうと頑張った時期があって……」


フラン「頑張ってる時はうまくいかないもんだよな」


一同「笑」


フラン「“これって、すごく売れ線じゃん!”なんて思うと売れなかったりする。それに、もしそこで売れたとしても、壁紙はどんどん張り替えられていくからね。その時の壁紙に合わせようとしてみたところで、6か月後にはまた違う壁紙になっている。人の趣向はそうやってどんどん変わっていくものだから、たまたま、その時の流行りに合致したとしても、流行りが変わってしまったら、またズレてしまうんだ。だから、大事なのは、自分で自分の壁紙を堂々と貼ること。その壁紙の前でなら常に自分が一番でいられる。自分らしくやるしかないんだよ。好きなことを貫けるかどうか、だ」


ショウ「なるほど」


フラン「壁紙が変わっても、自分のやってることが好きだと言い続けられるかどうか。そこに真実がある。真実っていうものはね、必ず人にも伝わるものなんだよ。心を込めて鳴らした鐘は遠くまで響いて伝わっていく」


ダギー「難しいことだけどね」


ショウ「そうですね」


フラン「実際にやるのは大変だ」


ショウ「僕らもいい意味で諦めたというか、開き直ることができました」


ダギー「その方が自分たちらしいと感じたわけだね」


ショウ「そうですね」


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