もちろん、その説明の中で、うまく理解できない部分もあり、ただ不思議だなあと感想するしかないことがある。
たとえば、そのレメディの作り方などについては、その成分をできるだけ薄めていく「最小有効量の法則」の理論から成っているのだが、未だにそういうことになっているのだな、としか言えない。つまり成分を3千倍に薄め、さらに一万倍、2万倍と薄めるほどに効果が強くなるというのだ。これは理論的に見ると、1分子も含まれていないということになるらしい。とても不思議ではないだろうか?
風邪の初期に摂るアコナイトはトリカブトの毒から作られるので、気持ち的にはより薄めて使うことで効果が増すのは嬉しいのだが、他の鉱物や植物などの毒ではない成分までも薄めれば薄めるほど効くというのは、もはや信じるしかない。つくづく不思議だ。これはつまりエネルギーが効くと考えても、薄めればより効くということの納得いく説明にはならないので、ただ懐にえいやと入れるしかないところなのだ。
僕などは風邪や虫刺され、怪我、など一般的な身体の不調に対して使っているのだが、ホメオパシーの真骨頂とも言えるのは、むしろ心的、精神的な不調が身体の不調と関係している事柄に対してあると思う。
精神の不調、自分でも気づかないトラウマ、深い悲しみ、悪い感情などの精神的な崩れと身体的な不調を全体的なバランスの崩れとして、全体的に整えていこうとするのが、そのそもホメオパシーの方向性だと理解している。
ホメオパシーのガイド本などを開き、一つ一つののレメディの効用などを読んでいくと、まさに心と身体は繋がっていることに気づかされる。
たとえば、アコナイトはこうだ。
テーマ 恐怖の体験を乗り越える
特徴 風邪のひきはじめ 不安症 パニ
ック症 死ぬかと思うほどの恐怖
場所 精神 脳 神経 心臓 右側
悪化 恐怖 ショック 冷たく乾いた気候
深夜 締め切った暖かい空気
好転 外気 発汗 休息
(由井寅子のホメオパシーガイドブック1 ホメオパシー出版より)
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