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text by Ryoko Kuwahara
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Shuya Nakano

#BFF Niky Roehreke × wagashi asobi interview

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Niky「そういうことも、食に置き換えるとすごくシンプルだと思うんです。例えば誰かを憎くて傷つけようと思っている人が、その前にお家で彼女やお母さんが手作りした料理を『どうぞ』と出されて、それを食べて後に果たして人を傷つけることができるかなと想像したり。結局、世界の問題は“食”なんじゃないかと思う。もっと手作りとかおいしいご飯を増やしたら世界はよくなるんじゃないかな」


稲葉「そうですね。和菓子の用途は、ほとんどがギフト。誰かが誰かにあげる『ありがとう』や『おめでとう』『元気だしてね』というメッセージの代わりにお菓子を贈る、その部分を肩代わりするだけの仕事であって、和菓子職人がどんなにいい材料を使ってすごい技術で作っても、お母さんが子供のために作ったおやつには絶対敵わない。なぜなら、その人同士の関係性がすごく清らかなものだから。その関係やお菓子には適わないとわかってないと、高い材料を使って高級品を作ればいいと勘違いしてしまう。そうじゃないよなあというのはいつも自分たちに課しています」


浅野「私はアーティストと言われるのが嫌なんです。いま、アーティストになりたがっている職人が多いんですよ。食べ物なんだから『おいしい』が一番大事なのに、ヴィジュアルに走って、本来おいしいはずのものが干からびて展示されていたりするのはなんだかちょっと悲しい気がします」


稲葉「アーティストは表現者でメッセージを持ってる人。見た人が和菓子をアートと評価することはあっても、誰かの気持ちを代弁する作り手がアーティスト気取りをしちゃいけないと思っています」


—wagashi asobiさんは自分ではない誰かの想いを伝えるために作るスタンスですが、和菓子をツールとして自己表現している人もいる。その違いですかね。


浅野「ああ、そう考えるとしっくりきます」


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