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text by Ryoko Kuwahara
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Valerie Phillips

Valerie Phillips 『Another Girl Another Planet』Interview

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——あなたの写真は本当に美しいけれど、同時に強さとダークさを兼ね備えていると思います。

Valerie「私はパンクとポストパンクに強く影響されているの。男の子みたいにわんぱくな女の子達が好き。ちょっとガーリーな女の子でも、何も恐れないような態度をしている子達が好きなのよね。タフでクールな子達。ガーリーでありながらわんぱくで、そういうのが全部ミックスされているような子達が好きなの」

——写真集のタイトルがいつも素敵ですが、アイデアはどこから?

Valerie「名前とか詩、タイトルって大好きなの。ある意味、私のプロジェクトの中で一番大切な部分とも言えるわね。私にとっては、プロジェクトを定義するものだから。アイデアは色々なところで思いつくわ。『Another Girl Another Planet』はお気に入りの曲から取ったのよ。イギリスのポストパンク・バンド、The Only Onesの曲の一つ。多分70年代後半から80年代初めのバンドなんだけど、彼らの曲の中に、”Another Girl Another Planet”っていう美しい曲があって、まるで他の惑星から来たみたいに見える私の本の女の子達にピッタリだと思ったの。皆、素敵で変わってるから。バスに乗って窓の外を見ながら、ふと思いついたのがこのタイトルだった」

——作品のインスピレーションはどこから?

Valerie「ニューヨークにあるお店からインスパイアされているわ。小さなインディーのお店で、Printed Matterっていうんだけど、アートブックやジン、自費出版の本なんかを販売しているの。結構有名なお店だから、知ってる人もいるかもしれない。若い時、私はよくそのお店に行って、”このクールで風変わりな品揃えは何なの!?”って思ってた。それを理解出来るほど私は充分にクールではなかったけど、素晴らしいことはわかったし、すごく興奮したわ。その一部になりたいって思ったのよね。私は常に、Alexander Calderとか、Rovert Rauschenberg、Joseph Cornell、Dante Gabriel Rossettiみたいに沢山の種類のアーティストが好きだし、全く違うタイプのアーティスト達が大好きなの。だからある意味、私は写真よりもアートにインスパイアされていると言えるわ。アーティスト・ブック、ジン、パンク、スケート、DIYカルチャー、そして音楽もそうね」

——家には沢山のものがありそうですね(笑)。

Valerie「そうなの、すごいコレクションよ(笑)」

——そのコレクションの中で特に好きなものは何ですか?

Valerie「これまでの中で一番のお気に入りはHarmony Korineの本で、『The Bad Son』。でも、選ぶのは難しいわね。アメリカの写真家のSally Manも好きだから。あと、Hiromixも大好きなの」

——本が好きなんですね。雑誌で好きなものは?

Valerie「『Mushpit』というインディペンデント・マガジンがお気に入り。本当に変わってて、面白いのよ。前は『The Face』も好きだったわ。『i-D』や『Vice』、他にも色々良い雑誌はあるわよね。あまりハイファッションの雑誌は好きじゃないの。だって、パーソナリティがないんだもの。洗練されすぎているわ。存在してても構わないとは思うけど、私のスタイルではないのよね」

———撮影のアイデアはどうやって浮かぶんですか。

Valerie「あまりアイデアって好きじゃないの。私はただ女の子の写真を撮るのが好きなだけ。ただ、彼女達がいる場所に行って、どこで撮影するかを決めるだけ。それも全て自然に決まるの。何かを計画することは決してないわ。その場のカオスやその子達が持つヴァイブ、彼女達が持っているものをそのまま捉えたいから。本当に何も計画しないの(笑)。いつもそうなのよ。それは写真からもわかると思う」

——なるほど。作品のために、あなたは常にガールズを探しているわけですよね。その時に一番大切な要素は一体何なのでしょう?

Valerie「まずは、私が惹かれるルックスだと思う。ルックスは、今世界やアメリカで何が起こっているか、そして彼女たちのパーソナリティを映し出している兆候や目安だと思うのよね。で、私がその子のことを面白い、もっと知りたいと思ったら、話しかけてパーソナリティを見るの。面白いと思う基準は様々。動きだったり、ティーカップの持ち方だったり、色々よ。それから数枚写真を撮ってみて、お互い通じ合えるかをみたり、一緒に一日を過ごしてみる。だから、すごくインタラクティヴなの。ボーイフレンドやガールフレンド、もしくは友達に会うみたいな感じ。何かビビッとくるのよ。それがすごく大事ね」


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