―アルバム全体を貫くストーリー、世界観のようなものがあれば教えてください。
TOY「(前作の)『ジョイン・ザ・ドッツ』の終わりから現在までの間の変化や時間、出来事と、それが僕らの人生にどんな影響を与えたかについてだよ。僕らの他のアルバム全てと同じく、これは僕らが一緒に共有している体験の、現在形の物語なんだ」
It’s about the changes, times and events in-between the end of Join The Dots and now and how they affected our lives. Like all our albums it’s the on going narrative of our shared experiences together.
―“I’m Still Believing”はタイトルも印象的ですが、この曲ではどのようなことが歌われているのでしょうか?
TOY「新しい人を見つけて、そっちの道を選んだときに身の回りで起きる変化についてさ」
It’s about finding someone new and changes that can happen around you when you choose that path.
―“We Will Disperse”というタイトルも、非常に暗示的である印象を受けました。この曲ではどのようなことがテーマになっているのでしょうか?
TOY「永遠に続くものなんてないって考えだと思う」
I think it’s the idea that nothing lasts forever.
―ところで、昨年にはバット・フォー・ラッシーズのナターシャ・カーンらと結成したプロジェクト、セックスウィッチの活動も大きな話題を呼びました。こうした活動が今作の制作に影響やインスピレーションを与えた面もありますか? あるとするなら、具体的などんなポイントにおいてでしょうか?
TOY「あれは僕らが友達のパーティーでナターシャ・カーンに会ったときに、コラボレーションをやったら楽しいだろうなと思って、1日でやった楽しい経験だったよ。僕らはイラクやタイなどの曲が入った、中東や極東のフォーク・ミュージックのコンピレーションを聴いていて、それらをある日録音したままそのことを忘れていたんだ。間違いなく、学んだリズムとかいろいろなものは、何らかの形で今僕らがやっていることにも滲み出ているよ」
It was a fun experience that we did in a day we met Natasha Khan at friends party and thought it would be fun to collaborate. We had been listening to compilation of middle and far eastern folk music with songs from places like Iraq and Thailand and recorded them in one day then forgot about it. The rhythms and some of the thongs we learned seeped in to what we were doing somehow, i’m sure.
―ちなみに、今回の曲作りにおいて、サウンドとリリックのそれぞれに関してインスピレーションとなったアーティストや作家、出来事など、対象は問わないので教えていただけると嬉しいです。
TOY「ヒッチコックのサウンドトラックや、『タクシー・ドライバー』のスコアを担当したバーナード・ハーマンはある種の影響を与えたと思う。彼の音楽のフィルム・ノワール風な雰囲気が大好きで、それを“Spirits Don’t Lie”とかの曲では真似しようとしたんだ」
I think Bernard Hermann the composer of soundtracks for Hitchcock who also scored Taxi was an influence in some way. The film noir atmosphere from his music is something we loved and tried to emulate on tracks like Spirits Don’t Lie.
photo Kentaro Takahashi
interview & text Junnosuke Amai
edit Ryoko Kuwahara
TOY『Clear Shot』
(Heavenly/MAGNIPH/Hostess)
発売中
※ボーナストラック4曲、歌詞対訳、ライナーノーツ付
トラックリスト
1. Clear Shot
2. Another Dimension
3. Fast Silver
4. I’m Still Believing
5. Clouds That Cover The Sun
6. Jungle Games
7. Dream Orchestrator
8. We Will Disperse
9. Spirits Don’t Lie
10. Cinema
(日本盤ボーナストラック)
11. Spellbound
12. News From Nowhere
13. Poor Jack
14. Love seeker
https://itunes.apple.com/jp/album/clear-shot/id1139667296?app=itunes&ls=1&at=11lwRX
TOY
2010年に結成されたロンドンを拠点に活動する5人組ロックバンド。アルバム・デビュー前からNMEの「今聴くべき100のバンド」に選出。ザ・ホラーズのスパイダー・ウエッブもバンドを絶賛し彼らのUKツアー・サポートにトーイを起用した。2012年のデビュー作『トーイ』はNMEで8/10のレビューを獲得する等称賛された。サマーソニック2012で初来日を果たす。英ロックバンドのトラヴィスは自身の楽曲「ムーヴィング」で「今日は高速道路でトーイを聴かなきゃ」と歌っておりミュージシャンからも熱い支持を集めている。2013年、セカンド・アルバム『ジョイン・ザ・ドッツ』をリリースし、2014年にはHostess Club Weekenderで2度目の来日を果たす。2015年には紅一点のメンバーであった Alejandra Diez が脱退し、その後Max Oscarnoldが加入。2016年10月、新メンバーを迎えて初となるニュー・アルバム『クリア・ショット』をリリース。