―この10年間で映画を撮る視点が変わったりしましたか?
ルシール「私自身の変化は特になくて、『エヴォリューション』、そしてもう一つのプロジェクトをとにかく完成させなければ!と必死でした。この10年で私自身にさほど変化は無いのですが、フランスの映画を取り巻く環境には変化があったと思います。実際、予算が集まりにくい環境にはなってきたかなと思います。10年前と比較すると、こういう映画を撮るのに賛同してくれる人が以前よりも少なくなったなと感じます」
ルシールさんが映画監督になりたいと思ったきっかけはどんなことでしたか?
ルシール「10代の頃に映画館に通うのが楽しくて楽しくて。15歳くらいの時に同い年の女の子の友達がいて、やっぱりその子も映画が大好きで、二人で映画について語り合ったり、こんな話のストーリーがあったら面白いよねって、湧き出てくるアイデアを共有したりして、その時の経験が私を映画に向かわせたきっかけだったのだと思いますね。その時はホラー映画や幻想映画みたいなものに夢中で、特に70年代のイタリアのホラー映画の先駆者であるダリオ・アルジェントの大ファンでした」
―映画のタイトル『エヴォリューション』に込められた思いを教えてください。
ルシール「種の進化、哺乳類がもともとは海の生き物で、生物学的な進化をするというところからこのタイトルが浮かんできて。それに加えて少年ニコラの心の成長という意味も含ませて、ダブルミーニングなタイトルにしました。生物が進化する、そこにはまだ解き明かされていない不思議な魅力があるんです」
interview&text Sumire Taya
edit Ryoko Kuwahara
『EVOLUTION』
2016年11月26日(土)より、渋谷アップリンク、新宿シネマカリテ(モーニング&レイト)ほか全国順次公開
少年と女性しかいない、人里離れた島に母親と暮らす10歳のニコラ。その島ではすべての少年が奇妙な医療行為の対象となっている。「なにかがおかしい」と異変に気付き始めたニコラは、夜半に出かける母親の後をつける。そこで母親がほかの女性たちと海辺でする「ある行為」を目撃し、秘密を探ろうとしたのが悪夢の始まりだった。秘密の園の少女たちの世界を描いた『エコール』から10年。原始的な感情を呼び覚ます圧倒的な映像美でルシール・アザリロヴィック監督が描く、倫理や道徳を超えた81分間の美しい“悪夢”。エヴォリューション(進化)とは何なのか…?
トロント国際映画祭 正式出品
サン・セバスチャン国際映画祭 審査員特別賞・最優秀撮影賞受賞
ストックホルム国際映画祭 最優秀撮影賞
ナント・ユートピア国際SF映画祭 最優秀撮影賞
ジェラルメール国際ファンタスティック映画祭 審査員賞
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脚本&監督:ルシール・アザリロヴィック『エコール』(2004)『ミミ』(1996)
出演:マックス・ブラバン、ロクサーヌ・デュラン、ジュリー=マリー・パルマンティエ 他
撮影監督:マニュエル・ダコッセ/美術監督:ライア・コレット
配給・宣伝:アップリンク
(2015年/フランス、スペイン、ベルギー/ 81分/フランス語/カラー/スコープサイズ/DCP/原題:EVOLUTION)
© LES FILMS DU WORSO • NOODLES PRODUCTION • VOLCANO FILMS • EVO FILMS A.I.E. • SCOPE PICTURES • LEFT FIELD VENTURES / DEPOT LEGAL 2015
【公式サイト】http://www.uplink.co.jp/evolution/
【公式Twitter】https://twitter.com/evolution_movie
【公式Facebook】https://www.facebook.com/evolutionmovie.jp/