──ポップなサウンドとは対照的に、アルバム・ジャケットはコンテンポラリー・アートのようです。このインスピレーションはどこからですか?
マシュー「前作も同じで、これの白黒バージョンのような感じだった。僕たちは、ジェームズ・タレル(光と空間を題材にした作品を数多く発表しているアメリカの現代美術家)や、ダン・フレイヴィン(蛍光灯を多用した作品が有名なアメリカのミニマリズム美術家)のような照明アーティストのファンなんだけど、ネオンライトってすごく80年代っぽいと思うし、コンテポラリー・アートに見えると思う。だからあのデザインにしているんだよ。建築からアート・ムーヴメントに至るまで、僕たちは色々なアート・フォームに影響を受けているんだ」
──ファッションにもこだわりがありそうですよね。
マシュー「直感を信じているだけ。僕は地元(マンチェスター)の古着屋で購入したレザー・ジャケットに一目惚れして以来、それにあわせていろんなスタイルを楽しんでいるんだ。今日は暑いから着てないけどね(笑)」
──マンチェスターにはいい古着屋がある?
マシュー「そんなにたいしたことないよ(笑)」
ジョージ「ロンドンより寒いから、コートとか多いかも。あと、オアシスみたいなカーキのアウターもいっぱい(笑)」
──(笑)。もう次のアルバムのイメージはありますか?
マシュー「あるよ。まだツアーが始まったばかりだから、ちょっと早すぎるけどね。でもその中で、少しずつアイディアを固めていこうと思っている。どんな見た目になるかは今も想像がつくけど、音はまだわからないね」
──多忙で次の作品のために時間をつくるのは難しそうですが。
マシュー「そう。でも、短い時間で作ることは可能だよ」
──休みの日は何をするのが好き?
マシュー「ずーっと音楽を作っているし、ずっとライヴし続けている。だから、休みの日は何もしないのが一番。ホテルの部屋で寝転んで、何もしないのさ」
ジョージ「同じ。リラックスして、リフレッシュするかな。くだらないテレビ番組を見たりね」
ロス「僕も何もしない。ずっと音楽に触れているから、音楽に触れないようにしているよ」
アダム「新しい曲をステージでプレイするために練習している。それが僕の休日の過ごし方だね」
──日本のファンにメッセージを。
マシュー「日本は本当に大好き。キャンペーンの最後の方でまた戻ってきたい。楽しみにしているよ」
ロス「日本は最高。皆が僕たちの来日を望んでくれる限り、ずっと戻って来続けるよ(笑)」
photo Shuya Nakano
interview Takahisa Matsunaga
edit Ryoko Kuwahara
1975
『I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it』
発売中
(Universal)
http://store.universal-music.co.jp/product/uicp1174/
https://itunes.apple.com/jp/album/i-like-it-when-you-sleep-for/id1067233670
1975
イギリス・マンチェスター出身のオルタナティヴ・ロック・バンド。メンバーは、同じ学校に通っていたマシュー・ヒーリー(vo.)、アダム・ハン(gt.)、ロス・マックドナルド(ba.)、ジョージ・ダニエル(ds.)の4人。バンド名は、「トークハウス」、「スローダウン」、「ビッグスリープ」、「ドライヴ・ライク・アイ・ドゥ」など様々な変化を経て、最終的に「The 1975」に。バンドがこれまで発表した「フェイスダウン」、「セックス」、「ミュージック・フォー・カーズ」、「IV」の4枚のEPは、イギリスの音楽専門誌から称賛と注目を受け、シングル「チョコレート」で本国にて本格的にブレイク。アルバム発売前にも関わらずサマソニで初来日を果たした。早い出番にも関わらず約4000人の観客を呼び、直後の原宿アストロホールの単独公演もソールドアウト。全英初登場1位に輝いたデビュー・アルバムを引っさげて行われた2月のツアーもソールドアウト。サマーソニック2016で再来日を果たし、喝采を浴びた。