神戸在住、平成生まれのトラックメーカー、tofubeats。インディーながらにiTunes総合チャート1位を獲得、YUKIやFlo Ridaなど錚々たるアーティストのリミックを手がけるなど、シーンを代表する存在となった彼が、この11月、メジャーデビューEP“Don’t Stop The Music”をリリース。森高千里をフィーチャリングした “Don’t Stop The Music ”を筆頭に、の子(神聖かまってちゃん)を迎えた“おしえて検索”、桜田淳子の“神戸で逢えたら”のカバーという3曲が収録された紛うことなき傑作だ。EPについて、そして音楽制作へのスタンスについて、tofubeatsに語ってもらった。ロングインタビュー後編です。
(前編より続き)
—tofubeatsという名前もそういうところから来てるのかな? tofubeats 「単にキャッチーだからって理由で決まっただけで由来はないです。そもそもそこから始まってるんでね。スウィズ・ビーツとか流行ってたときに何とかビーツって名前つけたいなってなって、合う単語をいっぱい書いてみたんですよ。それでドメインが取れる名前をいくつか選んで、その中から一番キャッチーだと思うものを友達2人くらいと『せーの!』で決めたのがtofubeatsだった。豆腐が別段好きなわけでもなく、むしろこの名前になってからの方が食ってるみたいな(笑)」 —それくらい由来とかメッセージ性を避けてやってるんですね。 tofubeats「あっても人に100%バレバレというのは嫌ですね」 —その辺の感性って、ある意味ちょっとスノッブですよね。 tofubeats「ああ、まあ言われますよね。でも感覚だし、スノッブともなりきれないところもあってなかなか難しいんですよ。俗なものが好きだし。最後のスノッブはやっぱり菊地成孔です。それ以降、スノッブというのはないですから。一緒に曲やっているオノマトペ大臣がよくそう言ってます」 —私は時代によってスノッブの形が違うと思うけどな。 tofubeats「スノビズムっぽいのに頼りがちなのも、神戸にいるからだったりもします。神戸にいること自体が、音楽半分スタンス半分ってくらいスタンス勝負なんで。東京にいて何となく音楽やっているのとはちょっと違う。音楽をやってて東京に行くのが普通で、行かないと理由を求められるじゃないですか。『何で神戸にいるの?』って言われる。逆に何で東京行くねんってこっちは思うんですけれど、やっぱり理由を説明しなきゃいけないし。神戸の方が楽だしとかって理由を説明することによってどんどんスタンスが出来上がっていっちゃってこうなってしまったという感じですね」