いま、を自由な感性で切り取る新世代の注目フォトグラファーをフィーチャーする「PHOTOGRAPHY」。パーソナルに撮りためた未公開写真には、彼らの本質がくっきりと浮かび上がる。初回、大胆な構図、静と動のコントラストーースケートボード片手に現れた湯浅良介にインタビューを試みた。
——この作品はフィルムで撮ってるんですよね。影の入れ方が最高です。
湯浅「そう、フィルムで。ストリートの服が好きだから、なるべくメイクもしないで、大体路上で撮るっていう。影は、鏡を使ってて。日陰に連れていって、太陽光のある所から手鏡で当てたいところに照射しました」
——そうなんですね。加工じゃなく、その場のシーンで、その一瞬でちゃんと撮っているのがいい。
湯浅「スタジオ撮影とか、ライティングして作り込むのも好きじゃないんです。決めてるやつより、アザー写真の方が良かったりするじゃないですか。ライティングした脇のほうが意外と面白かったみたいなことがほとんどだから、それをいかに撮るかが大事で。そういう偶発的なストリート要素が好きだし、写真で実験したいんですよ。でもここまでガッツリ影を入れたりって、仕事ではなかなかできないじゃないですか。ファッション撮影だとちゃんと顔や服が写ってないとダメだから、そこの瀬戸際を見つけるのが難しい。だからポートレイトのほうが好きなんです。自由ですもん」
——自由に撮ってる方がその人の感性が出やすいから面白いですよね。
湯浅「そうですね。仕事は最初に全部決めないといけないから。その抜けとか、わかってくれてる人とやるのがいいですよね、本当は」
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