―ちなみに、歌詞のモチーフってどういうところから来るんですか?
Ásgeir「だいたいは曲を書いたときに受ける感覚だったり、フィーリングだよね。曲を書いてるときって何かしら感情なり情景みたいなものを思いつくものだし、普段曲を書くときも一緒に鼻歌みたいなものを歌ってることが多いんだ。とりとめのない言葉だったりフレーズとかを英語で歌ってるんだけど、全然筋が通ってないランダムな言葉の羅列で、適当に歌ってるだけなんだ。ただ、そこで思いついた言葉をメモすることはあるし、それが父とかユリウスが曲を書く際のきっかけになってる場合もあるかもしれないね」
―『イン・ザ・サイレンス』のリリースから2年、さらにデビュー・アルバムの『Dyrdidaudathogn』からは4年が経ちますが、その間の環境の変化や、そのことについて自分なりに感じたり考えたりしたことが今度のアルバムに反映されている部分もあると思いますか?
Ásgeir「そうだな……どうだろう。もしかして、そういう部分もあるのかもね。ただ、自分ではそんなに意識していないかな」
―『イン・ザ・サイレンス』を出して自身を取り巻く環境が大きく変わるなかで、一番嬉しかったこと、逆にゲンナリしたことを挙げるとするなら、何になりますか?
Ásgeir「ははは、えーっと、そうだな、一番良かったことは世界を見てまわることができたこと……それだけでもすごく恵まれていることで、とても文句を言う立場にはいないと思ってはいるんだけど……自分の友達と一緒に音楽をやって世界をまわれるなんてね。逆に、残念なところは、自分と音楽を繋いでいるそもそもの本質の部分から離れている時間が多くなってしまったこと……自由な時間がほとんどなくて、自分ひとりで曲を書いて純粋に楽しんでいる時間よりも、毎晩同じ曲を演奏することを何度も繰り返し続けることのほうがメインになってて。家に帰ってようやく一人の時間ができたときには、そこまで音楽に対してハングリーな気持ちでなくなっているというか、音楽よりもむしろ別のことをしたいっていう気持ちになってる……それは良くないなとは思うけど、そこを受け入れていかないとね。要するにバランスってことなんだろうね」
―今はどうですか? バランス取れてます?
Ásgeir「まあ、いいんじゃないかな。前よりはマシになってるよ」
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photo Akihito Igarashi(TRON)
interview Junnosuke Amai
edit Ryoko Kuwahara
Ásgeir
『Where Is My Mind?』
10月5日発売予定
(Hostess)
Ásgeir
アイスランド出身のシンガー・ソングライター。12年に母国でリリースしたデビュー・アルバムがアイスランド史上最速で売れたデビュー・アルバムとなった他、アイスランドのグラミー賞、アイスランド音楽賞主要2部門(「最優秀アルバム賞」、「新人賞」)を含む全4部門受賞。14年1月、デビュー盤の英語ヴァージョン『イン・ザ・サイレンス』を発表。2月にはHostess Club Weekender出演、さらに7月にはフジロック出演のため再来日し、観客を優美な歌声で魅了した。11月には『イン・ザ・サイレンス』のデラックス盤をリリース、翌15年1月には、初のジャパン・ツアーを決行。新作の発表が期待される中、16年8月にはHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERで4度目の来日。10月には日本独自企画7インチ・シングル「Where Is My Mind?」をリリース。