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OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.14 杏子 × ハマ・オカモト

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——ハマくんのこういうジェントルマンエピソードはこの対談企画でもちょいちょい出てくるんですよね(笑)。

杏子「ハマくんは楽屋の前まで彼女をエスコートして、スッといなくなって。 森田さんも『ハマくんに連れて来てもらっちゃった』って恐縮していて。そのあとトライセラを通じてちゃんと挨拶して、林(幸治)くんが『あいつは性格もよくてベースも上手くてホントにイヤなんだよ(笑)』って言ってた」

ハマ「そんなことを言われていたとは(笑)。僕はBARBEE BOYSの大ファンだったので、トライセラのゲストで杏子さんが出演されるということで勝手にソワソワしていたんです。ご挨拶させてもらったときに『今後、何かご一緒できることがあったらぜひ』という話をしたら、そのあとすぐにご連絡いただいて。杏子さんがアルバム(『Sky’s My Limit』)でセルフカバーしたBARBEE BOYSの「タイムリミット」の演奏をOKAMOTO’Sで務めさせていただきました。しかもMVにも呼んでいただいて」

——ハマくんがBARBEE BOYSのファンになったきっかけは?

ハマ「東京事変がライブでBARBEE BOYSの『C’m’on Let’s go!』をカバーしていて。僕はもともと日本のバンドについて全然詳しくなかったんですけど、東京事変はすごく好きでツアーにもよく行っていました。でも、事変の歴史においてもほぼ唯一と言っていい日本のバンドのカバーを自分が行けなかったライブでやっていたので、気になって調べたらBARBEE BOYSの楽曲だとわかって。僕ら世代は事変を通してBARBEE BOYSを知った人が多いと思うんですよね。そこからBARBEE BOYSのアルバムを全部買いそろえて」

——BARBEE BOYSの音楽性において最も惹かれたポイントは?

ハマ「男女ツインボーカルでありながらパート振りがキッチリ分かれていて、会話のように掛け合いつつ、さっきまで歌っていたと思ったら急にサックスを吹いたり(笑)」

杏子「冷静に考えるとおもしろいよね(笑)」

ハマ「そんなバンドは世界中のどこにもいないなと思って。更に、調べたらギターのいまみち(ともたか)さんがほとんどの詞曲を担当していたというのも衝撃的で。少なくとも歌詞は、女性パートは杏子さんが、男性パートはKONTAさんが書いていると思い込んでいたので。異質でものすごくカッコいいバンドだなと思いました」

杏子「イマサ(いまみちのニックネーム)の書く歌詞やメロディは一筋縄ではいかないというか、かなり変わってるもんね」

——杏子さんもボーカリストとしてそこに面白みを感じていたのではないかと思うんですけど。

杏子「いや、難しくてなかなか無邪気に面白いとは思えなかったですね。新曲のデモができると、まずイマサがテストのように私とKONTAに歌わせて振り分けを考えるんですけど。KONTAは飲み込みが早いから、私は余計に焦ってアワアワしちゃって。イマサは厳しくて怖かったなあ。たとえば歌録りでOKテイクが出ても、誰かが『杏子の歌は正確でいいんだけど、テンションがなあ……』とか言い始めるとイマサに「もう1回歌って」って言われるですよ。それがイヤだったからいつもOKテイクが出たらすぐにスタジオから逃げてた(笑)」

ハマ「緊張感がずっとあったんですね」

杏子「めちゃくちゃ緊張感のあるバンドで。だから、『タイムリミット』をセルフカバーしたときもイマサに『やっていい?』って確認したのね。そしたらOKAMOTO’Sのことはさすがに知ってましたね。でも、私がイマサと仲よく話せるようになったのは最近なのよね」

ハマ「そうなんですか」

杏子「いつもピリピリしていて怖かったから。そういえば、『タイムリミット』をセルフカバーしたときにOKAMOTO’Sがアレンジを3パターンも考えてくれて」

ハマ「そうでしたね」

杏子「イマサに『このアレンジで落ち着きました』って報告したら、すごく喜んでた。そこで私も安心して(笑)。で、その翌年に『あなたにアディクション with いまみちともたか & OKAMOTO’S』を制作して。そこでまたちょっと距離が縮まって」

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