オーストラリア・シドニー出身のエレクトロニック・デュオ、フライト・ファシリティーズ。彼らの作品『Down To Earth』はデビュー・アルバムにしてカイリー・ミノーグがゲスト参加。さらにビショップ・ネルー、レジー・ワッツ、ジゼル、ミッキー・グリーン、エマ・ルイーズ、オウル・アイズが参加し、ダンスからヒップホップ、ポップスに至るまで様々なシーンで注目を集めた。スマッシュヒットを多数生み出した1stから約1年半を経た彼らに、フジロックにて現状を聞いた。
──日本は2度目になりますね。
ヒューゴ「いや、フジロックを含めると3回目だね。2010、11年と2年連続で来たんだ。最初は大阪で、2回目は東京のル・バロンかな。どちらもDJだったので、こうしてライヴができることにワクワクしているんだ」
ジェームズ「まるでジュラシック・パークの世界に迷い込んだような会場だよね(笑)。でも、すごく美しいよ。地面が平らなフェスばかりなので、こう起伏に富んでいると新鮮だね」
──10年にリリースされたデビュー・シングル「クレイヴ・ユー」から6年が経過しました。アルバムもそろそろ2年が経とうしていますが、今もって「クレイヴ・ユー」はフレッシュなグルーヴをキープしています。その理由はなんだと思いますか?
ジェームズ「自分たちがベッドルームで曲を書いていた頃は何も考えずに、書きたいままに曲を書いて、自分たちの中にあるものがそのまま出ているんだ。『クレイヴ・ユー』がそう感じてもらえるのも、自由な感覚で素直に作ったからじゃないかな」
ヒューゴ「特定のジャンルを意識することなく、誰の期待や誰かに聴かせるということもなく、自分たちのために作ったからだろうね。良い意味で無知な部分が出ていると思うよ」
──なるほど。その感情のままのソングライティングの根底にダンスというキーワードはあったのでしょうか?
ヒューゴ「ナイトクラブというイメージは少しだけ意識はしていたんだけれど、何が何でも踊らせるというほどではなかったよ。ハウス・ミュージックからの影響は大きいけれど、ハウスの曲にしては短すぎるよね。シンセを使ったりしているけれど、何かを意識するとナチュラルなフィーリングを損ねてしまう。意識しないことを意識したという感じかな」
ジェームズ「リリースするかも決まってなかったからね。こんなにもビッグ・ソングになるとは思ってもみなかったし。ただただ、ラッキーだったということ。ベルギーのDJのエアプレーンがまず『クレイヴ・ユー』を見つけてくれて、そこからイェールが気に入ってくれて、さらにゴシップ・ブロガーのペレス・ヒルトンが拡散してくれた。リリースされる前にはもう800万回くらい再生されていたんだ」