邦画界のトップスターたちとの演技対決
————本作ではまさに錚々たる俳優陣との演技合戦があるわけですが、中でも取り調べのシーンで大森南朋さんに厳しく問い詰められるところなどは、もう唾が飛んでくるんじゃないかってくらいに切迫した雰囲気がありました。どんな気持ちで受けてらっしゃったのですか?
織田「あの取り調べのシーン、実はオーディションでも使われた重要な箇所だったんです。なので、私の中ではいろんな思い入れや緊張が絡まりあって凄い状態でした。大森さんも迫力ある演技で容赦なく攻めてこられるし……(笑)。でも絹子は何にも動じない強い人間なので、私自身のドキドキが表に出ると台無しになってしまう。とにかく個人的な感情を抑えて役になりきるのに必死でした」
————そんな葛藤があったのですね。あのシーンの後、大森さんと何か言葉を交わしましたか?
織田「はい。『大丈夫だった?』とおっしゃっていただきました(笑)。皆さん、本当に優しくって」
————他にも生田斗真さん、岡田将生さんをはじめ、多くの男性俳優が総出演されます。印象はいかがでした?
織田「そうですね。私、緊張しているのに加えて、すごく人見知りなところもあるので、大人の男性たちに囲まれて、ひとりポツンといる感じで。そんな私を見かねて、皆さん『大丈夫だよ!』とリラックスさせてくださったり、冗談を言って笑わせてくださったり……」
————素敵なエピソードですね。そんな和やかなムードもありつつ、けれど本番になると圧倒的な臨場感に包まれる、と。
織田「そうですね、監督が『よーい!』と口にした途端、心と身体が引き戻されて、いつでもどこでも『わたしは絹子!』というスイッチが入りましたね」