絹子という強烈キャラはこうして生まれた
————かくして人生初となる長編映画に挑まれるわけなんですが、大友啓史監督の演出はいかがでした?細かい動作やセリフまで指示されたりしましたか?
織田「撮影前に役柄についていろいろお話しさせていただく機会はあったんですが、演出自体はそんなに細かくなかったと思います。監督が描いているものを押し付けるのではなく、一緒に作っていこう、じゃないですけど、キャストの内側から生まれてくるものも見てみたい、拾いたいというのがすごく伝わってきました。『正解なんてないんだから。思った通りにやってごらん』という言葉が心に残っています」
————そのようにして化学変化が生まれていったのですね。一方、“絹子”という役柄は、なんというか、これまでの常識を覆す全く新しい“悪女”に見えました。演じる上で参考にした本や映画はありますか?
織田「そうですね。監督から『これ、見ておいてね』と言われた映画が何本かありました。ひとつ覚えているタイトルは……えーとなんでしたっけ、う、うさぎ、じゃなくって、ひつじ……」
————あ、『羊たちの沈黙』!!
織田「それです!観ている間、あの主演俳優さんは何を考え、どんなものを参考にして役作りをされたのかなって、すごく興味がわきました」
———— “絹子”を生き抜くことって、織田さんにとって難しかったですか?
織田「ノーマルな人を演じるよりは、特徴のある人を演じた方が演じやすいのかなって思ったり、思わなかったり(笑)。でもとにかく初めての演技経験だったので、何をやるにしても難しかったというのが本音ですね」