——今ならできると思えたのには何が一番大きかったんでしょうか。
村川「年齢的なこともあると思います。ちょうど二十代後半にかかってきて、今まで演じてきた役はどちらかというと元気で、少女のような感じがあり。なんだろう……それをもっと自分の中で変えたかったし、大人の女性を演じられる三十代になりたいなと思っていました。その第一歩として、随分大きな一歩ですけど(笑)」
——(笑)。
村川「こんな作品に巡り会えるというのはご縁だと感じましたし、運命なのかなと。これが1、2年前くらい前だったら、自分の経験もまだ浅いし、もしかしたらできていなかったのかなとも思います」
——なるほど。先ほど園子のことを格好いいとおっしゃっていましたが、憧れとシンパシーどちらの気持ちでしたか?
村川「シンパシーでした。言葉数が少ないのですが、発するセリフ一言一言にハッとして。私自身はたくさん喋っちゃうタイプなんです。でも園子は言いたいことを簡潔に一言にしていて無駄なことを喋らない。それでいて男女の性についてや男の人に対しての気持ちなどを代弁してくれている」
——確かに、私もとても共感しました。
村川「茨の道を歩んでらっしゃる女性には特によくわかって頂ける気がします(笑)」
——茨というか、ステレオタイプではない自分の道を歩むという時に、周囲の目というのはやはり厳しいものですから。
村川「そうですね。園子の時代は特にそうでしょうし、今の時代でもトゲがあると思います。今は女性みんながもっと自由になってきているとはいえ、そういう意味でもきっと園子の気持ちに共感する人は多いですよね。ああ、でも園子へはやっぱり憧れの気持ちもありますね。彼女は恋や愛に自惚れないじゃないですか。男の人のペースに振り回されて悩む女の人は多いだろうし、私もそうやって陥るときもありますけど、凛と強くいられて感情もあまり出さない、でも突っ走る勇気もあるーーこんな女性がいたら、男の人が逆に苦しむんだろうなって。この役を演じて勉強になりました(笑)」