——ヒダカも出会うべき人に出会ってる感じがあるでしょう?
ヒダカ「うん。俺もホントになるようにしかならないって思っていて。『こうなるわな、しょうがないよね』みたいなことばっかりだから。STEREO RECORDSの神鳥さんとも出会うべくして出会ったと思うし。今回のツアーも地方では小さいカフェとかでライヴをやったんですけど、東京に比べたら来てくれる人も少なくて。でも、さらに田舎のほうから会場まで来てくれた人がCDを買って帰ってくれたりして、そういう人たちに届いてると思うと……間違ってないなって思う」
——人に届く実感を得られるようになった。それまで自分の観念と音楽で壁打ちしてるような感覚だったのかな?
ヒダカ「いや、人って絶対に死ぬから。とりあえず作品を残さなきゃという感覚がすげえあって。それでとりあえず曲を作ってきたんだけど、人に伝えるとなるとまた違うじゃないですか。人に伝えるということは、その人のパワーが自分のところにまた返ってくることでもあるから。その感じがイヤで」
——自分のパワーの純度が下がるみたいな?
ヒダカ「そうそう。でも、いまとなってはちょっと違う感覚が生まれて、人に届けるのもいいなって思えるようになったんですよね」
レイジ「ヒダカは若返ったよね」
ヒダカ「髪も切ったし、ヒゲも剃ったからね」
レイジ「去年はマジで老人みたいだったよ(笑)。今回、来日したヒダカは若い(笑)」
ヒダカ「それもテーマがあって」
レイジ「テーマがあるんだ! 何?」
ヒダカ「見た目で自分の主義主張とかがわからないようにするっていうテーマ」
レイジ「確かにいままでの感じだと『あ〜そっち系の人ね』って言われるニュアンスがあったね」
ヒダカ「(タトゥーが見えるから)Tシャツになったら終わりなんだけど(笑)。あと、襟のある服を着ようというのもテーマ(笑)」
レイジ「今日の服は襟ないじゃん」
ヒダカ「今日はね。ライヴするときとか……」
レイジ「この間は上裸だったじゃん!(笑)」
ヒダカ「上裸だったね(笑)」
——ヒダカは次の作品のテーマってもう頭のなかに浮かんでるんですか?
ヒダカ「うん、それがあって。次は全曲、歌にしようと思って」
レイジ「いいね!」
ヒダカ「最近ちょっと歌いたくて。いい歌ってヤベえなって。最近、ひさしぶりにエリオット・スミスとか聴いていて」
——あの人の歌ってすごく悲しいじゃん。それがたまらないんだけど。でも、あの人は自ら命を絶ってしまったから。率直に、ヒダカには若くして死んでほしくないなって思う。
ヒダカ「俺は死なないです。もっと死にそうなやつも知ってるし、自分から死んだやつも知ってるから。俺はたぶんそういう感じじゃないんだろうなって思う」
レイジ「でも、事故死はありえそうだから気をつけてほしい。だって、気絶して倒れて熱風で首の皮が溶けてたことあったよね?」
ヒダカ「そうそう。酒飲んで風呂場で寝てたらそんなことになって。次の日、初めてニューヨークで演奏する機会があったから緊張してたのかも」
レイジ「ヒダカが帰国したときに会ったら、首にガムテでマスクを貼り付けていて(笑)」
——ガーゼの代用みたいな感じで(笑)。
レイジ「そう(笑)。本当のパンクファッションはこうやって生まれるんだろうなと思いました。『ガーゼがないからとりあえずマスクを付けてるんだよね』と言っていて(笑)。あと友だちとケンカになって、顎を骨折して1ヶ月くらい口が開かなかった時期もあったよね」
ヒダカ「俺の友だちでタカミってやつがいて。6人くらいのチームで、高円寺でWorkstation.っていうギャラリーを運営してるんだけど。俺とちょっとタイプは違うんだけど、彼は彼でアートに対していろんな思いがあって。彼とはすげえ仲がよくて、酔っぱらっていろんな話をするんだけど、そのときは俺がよくないことを言っちゃって、気づいたら殴られて顎を骨折していて。医者に『酒を飲んで吐いたら、(吐瀉物が)口に詰まって死ぬぞ』って言われて。でも、みんなで飲みに行ったら俺だけ飲まないわけにもいかないから、醤油を舐めながら飲んでましたね。吐いたら死ぬからつねにペンチを持ち歩いて。『もし俺が吐いて死にそうになったら、これで口を開けてくれ!』みたいな(笑)」
一同「(笑)」
ヒダカ「でも、あのころの俺はちょっとおかしかった」
レイジ「いまは健康的」
ヒダカ「うん、健康に気をつけてる。酒もあんまり飲まないようにしてるし」
——まだしばらくはニューヨークにいるつもりなんだよね?
ヒダカ「当分います。たまに日本に帰ってくるけど、拠点は向こうのほうが性に合うから。ニューヨークはみんな他のやつらがどう生きてたっていいみたいな感じで、それが心地いいので」
——たまに東京に帰ってくるといいなって思うところもある?
ヒダカ「とりあえず女の子がかわいすぎてつらい(笑)。ちっちゃくて超かわいい」
レイジ「最後にものすごく意外なこと言うのがいいね!(笑)」
RIKI HIDAKA ×オカモトレイジのサイン入りチェキを2名様にプレゼントします。空メールを送信するとプレゼントに応募できます。(←クリック)ご応募お待ちしております。
後日当選された方にはいただいたメールアドレス宛にNeoL編集部よりご連絡させていただきます。
撮影 依田純子/photo Junko Yoda
取材・文 三宅正一/interview & text Shoichi Miyake
企画・編集 桑原亮子/direction & edit Ryoko Kuwahara
タワーレコード渋谷店頭とSTEREO RECORDSでツアー会場のみで販売していたRIKI HIDAKAの最新作『Abandoned Like Old Memories』と未流通の2タイトル『PINK GRAPEFRUIT EP』、『HIDDENTRACKS』を加えた3タイトルを一挙に販売予定(日程未定)。
RIKI HIDAKA『PINK GRAPEFRUIT EP』
1.Hummingbird Grave / Riki Hidaka and Jan
2.Pink Grapefruits / Riki Hidaka and Jan
3.Rock’n’Roll Music In My Head / Riki Hidaka
(QQQQQQQQQ x Shiny Brand Records)
【作品解説】
2014年の春に製作した3曲入りの作品。GREAT 3やjan and naomiで活躍するjanによる詩の朗読を含む2曲と10分間
録音は日高理樹の自宅とLowPassのGiorgio Givvnのスタジオ、
RIKI HIDAKA『HIDDENTRACKS』
1.HIDDENTRACKS
(compiled 8 tracks as 1 track
1.NOONWHILE
2.WITHERED SPOON
3.HEGIRA GUITARS ENSEMBLE 1
4.HEGIRA GUITARS ENSEMBLE 2
5.NO NO NO
6.GHOST DOLPHIN 1
7,GHOST DOLPHIN 2
8.PRAYING)
(QQQQQQQQQ x Shiny Brand Records)
【作品解説】
2015年の初頭にNYの自宅で録り貯めていた8曲入りの作品。
マスタリングはPHONON熊野氏によるもの。
RIKI HIDAKA『Abandoned Like Old Memories』
1.Gently Talks #3/Dishwasher`s Delight
2.Rebel Zombie In Vain
3.Bad Dreams Passing Through My Dirty Bedroom
4.不良たちの描いた夢は
5.Delay My Memory
6.Floating On The Mill Pond
7.Withered Spoon/The Ghost Of Chinatown Whispered
8.Disaster Above The Onecolored Rainbow/So What?
9.名もないからす
10.Hidaka Against
11.乱反射する光の中で
12.Good Bye My Caulfield
13.Nothing Happened On The Day Old Punk Quit Smorking
(STEREO RECORDS)
【作品解説】
NEW YORKへ渡米した日高理樹が2015年冬から2016年の3月
OKAMOTO’S「BROTHER」
(発売中)
RIKI HIDAKA
OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌となる「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。また、同年6月3日から全国47都道府県を巡る「OKAMOTO’S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016」を敢行中。