——この前のレイジも手伝っていたイベント、GLUEも、今回のヒダカのツアーのアフターパーティーとして開催していたし。
レイジ「そう。普通に生活していたらヒダカのライヴを観ないような人生を送っている人たちをどれだけたくさん呼べるかという目的もあって。だから、俺たちはレーベルでも事務所の人でもないのにヒダカの音楽を広めようとしている応援団? 親衛隊だね。“RIKI HIDAKA”って刺繍が入ってる特攻服作ろうかな(笑)」
ヒダカ「ヤバい(笑)。今回のアルバムを作って、ようやく自分で自分のことをミュージシャンだと思えるようになったというか。いままではギターが好きなだけの捻くれたガキみたいな感じで。今回はちょっとがんばったんですよね」
——がんばってみたら自分としてもすげえよかったと。
ヒダカ「うん、すげえよかった。ニューヨークにいると、日本にいるときと比べて圧倒的にひとりでいる時間が長いから、あんまり遊んでないんですよ。仕事して、終わったら家に帰ってずっとギターを弾くだけ。それがすげえ心地いい感じになってきて。友だちと一緒に曲を作ったり、人のライヴを観に行ったりするのも楽しいんだけど……仕事して、家に帰ってひとりでギターを弾いて、また寝るみたいなサイクルが気持ちよくて」
レイジ「ヒダカにはその感じが合ってるのかもね。年に1回帰国して友だちと会って大騒ぎしたり」
ヒダカ「いまは向こうでも作品を流通させたいと思っていて、今回のアルバムの2LPはアメリカでプレスをしようと思ってる。あと、向こうでジョシュってやつと殺し屋キラーズっていうバンドを組んだから、その作品もリリースしようと思ってる」
レイジ「殺し屋キラーズは、そのジョシュってやつと2人で活動してるの?」
ヒダカ「うん、2人。ジョシュはドラム&ボーカルなんだけど、ドラムを叩いたことがないから、あり得ないくらい下手で。もう7曲くらいレコーディングした」
レイジ「マジ? 超聴いてみたい!」
ヒダカ「うん、絶対リリースする。でも、殺し屋キラーズってバンド名は変えると思う(笑)」
——話が前後するんだけど、そもそも2人はどういうふうに出会ったんですか?
ヒダカ「俺が覚えてるのは、たぶん最初に連絡先を交換したのはドカットくんの家から帰る朝の電車のなかなんだよね。もう5年以上前だと思うんだけど。俺は自分から連絡先を聞かないんだけど、レイジくんのほうから聞いてくれて。それはめっちゃ覚えてる」
レイジ「そこでもドカットの名前が出てくるのか。やっぱりあいつはすごいな。それって俺らがズレテルズをやっていたころの話だっけ?」
ヒダカ「いや、俺はズレテルズのライヴは一度だけ、再結成したとき(2012年8月)しか観たことないもん。ドカットくんがフラフラでステージに立ってたとき(笑)。最初にギターのひでちゃんが出てきてさ」
レイジ「(レッド・)ツェッペリンを弾くやつね」
ヒダカ「そうそう」
レイジ「俺も気づいたらヒダカを応援してた感じです(笑)。でも、俺が新宿に住み始めた途端にしょっちゅうウチに来るようになったよね」
ヒダカ「そうだ。QNくんと一緒にライヴをやったりした時期があるじゃん」
レイジ「やったね」
——それはどこで?
レイジ「新宿JAMっすね」
ヒダカ「最初は俺がライヴに誘われたんだけど、ひとりでやるのがイヤだってなって。そのライヴハウスからレイジくんの家が近いし、『機材を全部持っていってめちゃくちゃやろうぜ!』ってなって(笑)。レイジくんは人前でいきなりライヴするのはいろいろ問題があるからってゴリラのお面をかぶって」
レイジ「そうそう」
ヒダカ「QNくんがアナログシンセとかイジって」
レイジ「俺はサンプラーやシンセをイジったりして」
ヒダカ「それで30分セッションして帰るみたいな(笑)」
レイジ「けっこうあの時期は色々なことをやっていたよね」