——曲自体はニューヨークでずっと作り続けてるの?
ヒダカ「向こうに行ってからずっと作ってる。今年の7月で2年になるんですけど」
レイジ「あっという間だね」
ヒダカ「うん、早い。最初はずっとやる気がなくて、部屋でギターを弾いてるくらいだったんだけど」
レイジ「じつは、2年前の6月に一緒にニューヨークに行って“レッド&パープル”っていうグループを組んでライヴをしまくろうという計画があったんですよ。当時、ヒダカの髪色が紫色で、俺の髪は真っ赤だったから」
ヒダカ「そう。結局、俺のパスポートの申請が遅れて実現しなかったんだけど」
——でも、ヒダカはそもそもニューヨークに憧れがあって行ったわけじゃないんだよね。
ヒダカ「そう。どちらかというと、当時は東京がイヤになってたから。ニューヨークにちょうど仕事もあったし、ラッキーみたいな感じで。でも、実際に行ったら行ったで、いいライヴが観れたりもするし、おもしろいと思うことがあって」
レイジ「ここ1年でいいライヴはあった?」
ヒダカ「ダイナソーJrでしょ。あと、ニール・ヤングもよかったし、テレヴィジョンもヤバかった。あと、マーク・リボーっていうギタリストが超好きで、その人らの演奏をよく観に行ってる。去年、プルプルしながらヴィレッジ・ヴァンガードの楽屋にヤンと作った12インチをマーク・リボーに渡しに行ったりして」
——そういう出来事もあったんだね。
ヒダカ「そう。だけど、自分のライヴは知り合いのカフェで1回しかやってなくて。CDをどこかに持って行ったりすることもなく」
レイジ「でも、どこかのアパレルブランドのPR映像にヤンとヒダカの楽曲が使われてたよね?」
ヒダカ「ああ、なんだっけ、それ? フランスのブランド。ああ、カルヴェン(CARVEN)だ」
レイジ「ブランドのPR映像をYouTubeで観ていたら、ヤンとヒダカの曲(『Oh,Lord(NO TOKYO)』/CARVEN Menswear・2016SS)が流れていて。どういう経緯でそうなったのか全くわからなかった」
ヒダカ「その映像を作ってるやつがヤンの幼なじみで。パリにいるアントン(・ビアラス)って人で。その人が映像を作ってるときに、ヤンが曲を聴かせたら『それいいね』ってなったらしくて」
——そういうことがありつつも、自分で自分の曲をいろんな人に聴いてもらうために何かをしているわけじゃなかったと。
ヒダカ「そう。人に『俺はこういう音楽をやってんだぜ!』ってアピールするのがイヤで。でも、最初にも言ったけど、最近はそれが変わってきたんですよね」
——なんで変わったの?
ヒダカ「大人になったんですかね? ちゃんと作品を作ったら、ちゃんと伝えたくなったみたいな」
レイジ「未だにRIKI HIDAKAは謎の存在だしね」
ヒダカ「日本にいる人で連絡をくれるのはレイジくんくらいしかいないから(笑)」
レイジ「俺はとにかくヒダカがヤバいっていうことを日本に広めたい」