——イコール、自分たちが各々のスキルを高め続けるというストイックさも持ち合わせてるということで。
YONCE「そうかもしれないですね。自分のパートに最大限の責任感を持つことがすごく大事だと思います。あれなんて言うんですか? DIYブーム?みたいなものがあると思うんですけど。いろんなクリエイティブに関わっている人がみんな全部ひとりでやっちゃうみたいな風潮があると感じていて。それはちょっと違うなってずっと思ってるんですよ」
——プロ同士のチームでありたいということ?
YONCE「そうです。俺はボーカリストとしてプロでなきゃいけないし、他のメンバーもそれぞれのパートのプロでなければいけない。それはライブのPAでもレコーディングエンジニアもそうだし、それぞれのプロとチームとして動きたいので。だから『俺は映像も作れるし、レコーディングでミックスもできちゃうんですよ』というのは違うと思うんですよね。いろんなことができても中途半端になるのは違うなと。そういう意味でも俺たちはそれぞれのプロとしてベストを尽くしたいと思ってます。いいチームになってるなという実感はこの1年でグッと高まりましたし」
——『MINT CONDITION』の1曲目「MINT」は、いまのSuchmosがこのタイミングでこのレイドバックしたグルーヴでアンセムを作ったこと、その曲でリスナーを踊らせることにすごく意義のある曲だなと思っていて。
YONCE「うん、そうですね。去年リリースしたアルバム(『THE BAY』)のころからひとつメンバー間で考えていたことが、『日本人はとにかく踊れないから踊れるようにしてやろうぜ』ということで。そういう提案をアルバムでできたと思うんです。で、その次にリリースしたE.P.(『LOVE & VICE』)では『STAYTUNE』で速いBPMでも横ノリで踊れる楽しさを提示して。『MINT』はそこからまたグッとBPMを落としてじっくり踊らせる感じじゃないですか。これは俺的に(MISIAの)『つつみ込むように…』以来の快挙だと思っていて」
——なるほど(笑)。
YONCE「今年に入ってギターロックのバンドが出るようなフェスとかイベントに出る機会が多くて。それはそれでありがたいんですけど、他流試合というか道場破りするような、もう殴り込みに行くような感覚で臨んでるんですけど。そこに来ているお客さんに『横に揺れながら踊るのも楽しいよ』って提示し続けるのも大事だなと思って。で、お客さんも飲み込みが早いからこれは大丈夫だと思って。そういう意味でも『MINT』という曲がこのE.P.で担ってる役割はなかなかデカいと思いますね。あとは、デカいステージに立ってるイメージができる曲でもあると思います」