Suchmosが本当にクールでストイックに日本の音楽シーンをひっくり返してやろうとしている気概がみながっている。いや、これまでも十分そういった攻めのアティチュードを提示しながら、本当にオーバーグラウンドでもアンダーグラウンドでも差異なくリスナーを自由に踊らせるグルーヴとはなんぞや、個々人が独立したステップを踏みながら口ずさめる歌とはなんぞや、ということを提示してきたバンドではある。それも踏まえて、さらに新作E.P. 『MINT CONDITION』ではレイドバックしたグルーヴでリスナーの感性と身体を揺らす1曲目「MINT」からネオソウルなフィーリングが漂うインスナンバーの4曲目「S.G.S.3」まで、どんな音楽的アプローチを施してもリスナーを巻き込めるし、忘れがたい爪あとを残せるという自負が、これまで以上に満々と通底している。ボーカルのYONCEとじっくり語り合った。
―—『LOVE & VICE』もそうでしたけど、バンドの絶好調ぶりがダイレクトに表出しているE.P.で。バンドの状態としては、スタジオに入れば曲がどんどんできるみたいな感じですか?
YONCE「そうですね。曲自体はポンポン生まれて、俺がちょっとリリックを書くのが追いついていない部分が多々あるんですけど(笑)。このE.P.からさらにまた新たな段階に入ったなと思う曲も生まれてます」
——だからもう、このE.P.も現在進行形のモードではないということですよね。
YONCE「そうなんですよね。リリースされるころには過去、みたいな(笑)」
——いろんなタイプのアーティストと対バンする機会もどんどん増えてるじゃないですか。アーティスト主催のイベントに呼ばれたり。それは他流試合をしているような感覚もある?
YONCE「いや、いまのところはガキのころから聴いてたりしていたバンドが多いし、ceroとかは最近の先輩みたいな感じで。そういう意味では親和性のある対バンが多いし、心の辻褄は合ってますけどね」