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デニズ・ガムゼ・エルギュ ヴェン『裸足の季節』インタビュー

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ーこの作品が公開され、周りの環境や自らの生活、心境に変化はありましたか?これからどういったことに挑戦していきたいですか?

デニズ「この作品が公開される前に、金銭的にもテーマ的にも理由があって制作を中断しなくてはいけない作品がありました。この『裸足の季節』はヨーロッパ規模で見ればとても低予算で作られた作品です。これが成功したことによって、その中断されていたプロジェクトを再開できるチャンスを得ることができました。 映画を作ることは責任が伴いますし、小さな小さなステップをつなげ、私は一つの作品を作り出しています。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことによって、作品を届けられる層が厚くなり、より多くの人と対話する機会が増えました。そして、それによって責任も増えていきます。私がトルコの現状について語ることは、権利でもあり、同時に任務でもあると感じてます」

——エンディングに向かう中での車窓から見えるイスタンブールの街の風景がとても幻想的でした。デニズ監督は彼女たちを待ち構えている未来をどういう風に描きたかったのですか? 

デニズ「イスタンブールという地で安全と自由を二人は手にしました。彼女たちの身を保証していくれるシンボルとなる先生が登場することによってここからポジティブな展開に向かうことを象徴しているのです」

——デニズ監督はこの作品を制作中に出産も経験していますよね。出産を経て、何か感じたことはありましたか?

デニズ「私は自分が母親になる前に、子供を産んだからと言って、教訓を垂れるような女性には絶対にならないと周りに誓っていました。母親になってからもちろん発見もありました。一番驚いたことは、社会の中で女性が出産や授乳の話題を大っぴらに話をすることはタブーというか、とても内密なものだと思っていたのですが、実際は割と平気に、カジュアルにしていたことが衝撃でした。今のトルコのエルドアン大統領のスタンスとは両極端なもので、私にとって嬉しい発見でしたね」

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撮影 田口まき/photo  Maki Taguchi

取材・文 多屋澄礼/interview & text  Sumire Taya

企画・編集 桑原亮子/direction & edit  Ryoko Kuwahara

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