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デニズ・ガムゼ・エルギュ ヴェン『裸足の季節』インタビュー

 

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ー5人姉妹を演じた女の子たちはそれぞれに個性的で美しく、特にラーレの瞳が持つ強さやエネルギーに惹かれました。彼女たちをキャスティングするにあたって、「これだけは外せない」と思っていた点は何ですか?

デニズ「話を聞いてくれる女の子という点は外せなかったですね。心や色んなドアが開かれることがスタート地点ですから。理解があってこそ、想像力をはたからせて、与えられた役を演じられると思います」

ー 彼女たちのルックスのイメージは作品を撮る以前から固めていましたか?

デニズ「自分の家族からインスピレーションを受けていますね。自分もそうでしたけど、みんなロングヘアだったんです。三女を演じてくれたエリットを映画で見た時に、彼女の美しい長い髪が印象的で。自分の少女時代を重ねて見てしまいました。5人姉妹をキャスティングするにあたって、やはりロングヘアは必須条件でした。この5人姉妹を、腕が10本、足が10本、頭が5つ持つ一つの怪物だと捉えていたので、彼女たちの共通項にその美しい長い髪があります。それは作品の原題『MUSTANG(野生の馬)』という野生の動物の魅力とも通ずるものですよね。作品の中で、彼女たちの美しさがアドバンテージではなく、問題を起こす原因となっていることに焦点を当てています」

ーー作品が公開され、各国で賞を受賞したり、評価されることについてはどう感じていますか?

デニズ「もちろん私が映画で描き出した世界は実際の私を取り巻いている状況とは非常に違うものです。これは映画の中の世界ですから。私は監督として世界各国の映画祭に呼ばれ、綺麗な洋服を着て撮影やインタビューに答えることもあります。でもそれは、エンターテインメントの華やかなところを抜粋しただけであって、実際、この映画を発表することで私が持つ責任について意識をすることが重要だと思っています。この作品には世界中の女性たちに対して訴えていきたい非常に重要なテーマがあります。5人姉妹はそれぞれ異なる存在で、それぞれが女性としての問題を抱えています。この作品を見た世界中の女性がどこかの部分で、彼女たちと自らを重ね合わせて見てくれたらと願っています。この作品と出会うことによって、新しい観点で女性たちを取り巻く環境について考えてもらえたらと。あなたたちは孤独ではないのだと。そう認識してもらえたらと願っています」

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