「サプール」を世に知らしめた写真家、ダニエーレ・タマーニが、続編とも言える新刊「FASHION TRIBES GROBAL STREET STYLE」を刊行する。
ビビッドな色のスーツでエレガントにキメたコンゴ共和国の「サプール(SAPEURS)」がNHKの特番で紹介されてから一年あまり。その後写真集「サプール(SAPEURS)」(2015年刊)をはじめ、近いところでは西部渋谷店での展覧会、それに合わせての本国からの「サプール」来日など、ブームは過熱するばかりだ。このブームの根底にあるものはなんだろうか。単に上辺のオシャレというだけでなく、精神性の高まり、ファッションを通じて「自分革命」を起こすという、外と内の両輪の相乗効果が、見る者を引き付けてやまないのではないだろうか。
今、「サプール」に代表されるファッションルネッサンスともいうべき現象が、ファッションの辺境と思われていた場所で局所的に発生している。「サプール」を世界に先駆けて写真集にまとめたダニエーレ・タマーレは、その動向にいち早く気づき、南アフリカのストリートダンサー、ボリビアのスカート姿の女性レスラー、ボツワナのメタルヘッズなど、7カ国の“ファッション・トライブ”を取材した。タマーニはそれらのグループの信頼を勝ち取るため何日も一緒に過ごす。その結果、彼の撮る写真は被写体の個性そのままの、唯一無二の記録となる。被写体のグループらに共通するのは経済状況などの劣勢を、自らのクリエイティビティで超越していることだ。その姿が見るものの感動を呼ぶのである。
本書は、写真とともにファッションジャーナリスト、社会学者、美術研究者らによって執筆されたスタイルの側面を探求するエッセー、被写体のメッセージも収録された画期的な一冊である。
著者紹介:ダニエーレ・タマーレ
フリーランスのファッション&ドキュメンタリーフォトグラファーでミラノを拠点に活動する。「SAPEURS the Gentlemen of Bacongo」の著者でもある彼は、2010年にはインターナショナル・センター・オブ・フォトグラフィー(ICP)の美術&エンタテイメント部門で賞を受賞。作品は世界中で展示されている。
『FASHION TRIBES GLOBAL STREET STYLE』
著者:ダニエーレ・タマーレ
定価:本体3200円+税
株式会社青幻社 604-8136京都府京都市中京区三条通烏丸東入ル梅忠町9-1
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