——現在進行中のプロジェクトはありますか?
篠崎「いま、紙のお花を作ろうとしています。ウィンドウディスプレイでは、生花だとすぐダメになってしまうので造花になってしまうんですが、造花がどうしても嫌で。ちょっと前には、作曲家の小瀬村晶さん、写真家の新田君彦さんと一緒にDVDも作りました」
——そうした活動をしながら、週末はedenworks bedroomというお花屋さんを開いていて。先ほど夢を叶える場所とおっしゃっていましたが、花屋さんになりたかった異業種の方が店頭に立ったり、それも面白い試みですよね。
篠崎「お花のプロが作れないものだから、本当に素敵なんです。お客さんと話しながら、選んで、組み合わせたものは、プロが作ってなくてもその人のオリジナルで、そういうお花もいいと思うんです」
——bedroomは週末だけで、他はクリエイターとしてクライアントとのお仕事を中心とされているということですが、そちらはedenworksという名前になっています。この名前の由来は?
篠崎「エデンの園は、2人という世界最小のグループ。1人で仕事をしていたのがアシスタントが入って2人になった時、世界最小のグループで今までにない新しいクリエイションをするという意味で、この名前にしました。人数を増やして、目の行き届かないことをたくさんやることもしたくないので、後もなるべく最小の人数でやっていきたいと思っています」
——最後に、篠崎さんが思うお花の魅力を教えて下さい。
篠崎「同じ種類でも全く同じじゃない、生き物というところですかね。同じ種類でも咲き方や色合いが違うので、組み合わせ方も、同じものは二度と出来ない。そういう唯一無二な部分が楽しいです。その時の感情のまま形にして、それはもう二度と出来ないという。人間にもすごく近いと思います。bedroomのコンセプトも、人間が一日をスタートする時と終える時はベッドの上で、生まれた時と死ぬ時もベッドの上だから、始まるということは終わりがあるというのを、花が咲いた状態から枯れるまでで表現できればと思っていて。そういうコンセプトはありますが、お客さまとのコミュニケーションもあれば、花の個性も入ってくるので、みんなと瞬間的に対話しながら毎日衝動をもってライヴをやっている感じです。それが本当にワクワクするんです。『明日はどういうお花が出来るのかな?』という自分でも分からないのが楽しくて仕方ないですね」
企画・取材・文 桑原亮子/ edit & interview Ryoko Kuwahara
篠崎恵美(edenworks/edenworks bedroom)
2009年独立。ウィンドウや店舗の広告やカタログの大型セット、アーティスト写真やCDジャケット、ミュージックビデオやLIVEグッツ、スタイリストさんの衣装制作などにもお花を落とし込む。その他、ミュージシャンや作家さんの自邸、海外の個人邸のガーデンデザインから施工までも手がける。週末限定のフラワーショップ「edenworks bedroom」もオープン。
edenworks bedroom
東京都渋谷区元代々木町8-8 motoyoyogi leaf 2F
営業:土曜/日曜 13:00-20:00(*平日はoffice)
*不定休のため、いらしていただく前にweb/instagramをご確認ください。