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リチャード・カーン(Richard Kern)インタビュー

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先日、フィルム・アーカイヴスの特集上映と新作アートのエキシヴィジョンを東京で開催したリチャード・カーン。スーパー8で撮影されたフェティッシュかつハードコアな映像作品で注目を集め、ニューヨークのアンダーグラウンドを舞台とした“ノー・ウェィヴ・シネマ”の一翼を担った80年代。そして90年代以降は、フォトグラファーとして『New York Girls』を始めとした数々の作品を発表し、現在もニューヨークを拠点に精力的な活動を続けている。あるいは音楽ファンにとってカーンの名前は、ソニック・ユースやマリリン・マンソンのMVを通じて知られたところだろう。

「大勢の変人が精神浄化をするため、ニューヨークという汚くて貧しい街へやってきた」。カーンが活動を始めた当時のニューヨークについてそう語ったのは、彼の多くの作品で被写体を務め、また創作上の盟友でもあったミュージシャンのリディア・ランチ。今回の来日に合わせて、日本人の女性をモデルとした作品も制作していたというカーンに、これまでの活動や自身の作品について、短い時間だったが話を聞く機会に恵まれた。

 

―今回の特集上映に合わせて、『You Killed Me First』を始めとする80年代や90年代に制作された作品が新たにデジタル・リマスターされました。自身の作品をあらためて観返してみて、何か思い返すことはありましたか。

リチャード「オリジナルの方が暗いんだ(笑)。ガサガサしているしね。でもリマスターを作っている時は、新しい作品を見ているようだった。昔の映像を集めて、今まで見たことのない新しいものを作っているような感じだったよ」

―年内にはMoMAでの回顧上映も控えているそうですね。処女作の『Goodbye 42nd Street』(1983年)から30年以上の時間がたちますが、この間を通じて自身の作品に対する周りの評価が変わった、と実感することはありますか。

リチャード「30年前は、批評のほとんどは良いものではなかった。映画やスクリーニングを見せようとすると、その場所から追い出されることもあったくらいさ。でも、今はより多くの人が慣れていると思う(笑)。それまでにはかなりの時間がかかったからね。子供の頃、僕の作品を好きだった人たちが今は大人になっているし、反応は悪くはないね」

 

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