ーー歌もヒットし、ビデオクリップにも出演し、女優としては大活躍ですが、監督になることは考えませんか?
ドヌーヴ「監督はまったく別の職業だわ。私も知らない技術的なことが要求される。カメラの置き方だけ分かればいいというような、簡単なことではないのよ」
ーー若い女優が監督になり、いきなり映画作りを始める場合もありますが…。
ドヌーヴ「彼女たちは喜んでやっているわ。リスクとは思わずにね。テーマとストーリーが本当に自分の作りたいものなら、徹夜してでもやるわ。この人のは見たくないと思うことも、正直いえばある。TVなら仕方なく見ることもあるわ。でも、映画は妥協が許されないから、俳優が監督したからといって、素晴らしい作品になるとは限らないのよ(笑)」
ーー今後、挑戦してみたい役はありますか?
ドヌーヴ「いつも忘れないようにしていることはあるの。同じ路線を走らないように、前進し続けるということ。そもそも、賛辞をいただくことが私の原動力ではないし、一度もそうだったことはないのよ。やりたいものはたくさん頭の片隅にあるけれど、芝居か、音楽かは、わからない。ただ、変化のない路線を進まないために、挑戦すべきことは何かということをいつも考えています」
――あなたは中絶禁止法の撤廃を求めた「343人の宣言」に参加したり、死刑法の撤廃のために、パリのアメリカ大使館に出向いたりもしていますが、現在の深刻な難民問題の映像を見て、衝撃を受けますか?
ドヌーヴ「衝撃だわ。信じられないことに、あれだけ大勢の難民が押し寄せてきているのに、ヨーロッパは大事なことが十分に出来ていないのだから…」
ーーそれに対して怒っていますか? どんなお気持ちでしょうか?
ドヌーヴ「怒るというより、とても大きな悲しみと言っていい。ハンガリーでは、壁を越えようとしている人々を通さないよう邪魔しているのよ。移民が通るだけなら、通してあげればいいのに。昔はともかく、今の政治体制でハンガリーに行きたい人なんていないわ。同じヨーロッパだというのに、非情なエゴイズムだと思うわ」
ーー本当ですね。ドイツの例でいえば、8000人の難民を受け入れました。
ドヌーヴ「すごいことよね。あんなことが出来たドイツは賢明だわ。ほかの国も、尻込みせずによりよいことをすべきなの。イタリアも、ともあれ立派ね。漂着した大勢の難民がはじめに押し寄せてくる悪条件の土地柄にもかかわらず、真偽を判断し、受け入れ態勢をとり、彼らの言葉を話そうと試みたり、寛大な態度だわ。極右や反対する人々も大勢いる中で、とにかくよくやったと思うわ」
『神様メール』のオリジナルクリアファイルを3名様にプレゼントします。空メールを送信するとプレゼントに応募できます。(←クリック)ご応募お待ちしております。
後日当選された方にはいただいたメールアドレス宛にNeoL編集部よりご連絡させていただきます。
映画『神様メール』
神様はブリュッセルのアパートに家族と一緒に住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配して人間の運命を変えたりしている。ある日、神様の娘10歳のエアは人間に運命に縛ら れずに生きて欲しいと思って、神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送る。だけど、彼女の意図に反して、世界中は大パニックに!エアはそんな世界を救う旅に出るが、できることは寂しい男女に小さくてヘンテコな恋の奇跡を起こすだけ。会社員は鳥を追い北極まで大冒険へ、殺し屋は不死身の美女と恋に落ち、主婦はゴリラと恋に落ちるーー。つい にエア自身も、”恋の奇跡”ウィリーに巡り会い!?そんな小さな奇跡たちが呼びおこす、神様のパソコンからの人類への〈最高にハッピー〉なメールとは?
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
5月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他〈ミラクル〉ロードショー