今年、結成20周年を迎えたEGO-WRAPPIN’ が、3枚組みのオールタイムベスト&カヴァーアルバム「ROUTE 20 HIT THE ROAD」 を4月20日にリリース。そこで、同アルバムのレコーディングが行われているスタジオにお邪魔して、中納良恵さん(Vo)と森雅樹さん(Gt)にインタビューをさせていただきました! アルバムに収録される新曲のエピソードや、20年を振り返って感じた想いとは!?
<新譜2曲、カヴァーに「さよなら人類」も>
ーー今回のアルバムは、開放的な選曲の「太陽盤」、しっとりと聴く「月盤」、全曲カヴァーの「星盤」3枚組みという20周年にふさわしい豪華な内容ですね!
森「EGO-WRAPPIN’として、年末はキネマ倶楽部、夏は野音でお祭り騒ぎみたいな、外と中を両方魅せているってことでスタッフが企画を提案してくれました。10周年でベストを出しているので、プラスアルファのものとしてカヴァーアルバムも入れて。キネマ倶楽部や野音でもカヴァーを入れた選曲をしていたんで、ライブでお馴染みのカヴァー曲から、新たなカヴァー曲までアレンジして詰め込みました」
中納「自分の曲なら中から見ていく感じなんですが、人の曲だから外から見るというか。カヴァーだけのアルバムを作るのは初めてのことやったので、いろいろと勉強になりましたね。難しいけど面白い作業でした」
ーー洋楽から邦楽までカヴァーされていますが、「さよなら人類」は意外でした。選曲はどのようにして決められたんですか?
中納「森くんがマニアックな曲をいっぱい持ってくるんです。でも、それがことごとく権利の問題でNGな曲が多くて。『さよなら人類』も森くんが提案してくれました」
森「すごい良い曲ですよね。カヴァーすることで当時の聴き方と今の聴き方の感じが変わるっていうか。それをきっかけにアルバムを聴き直したりしますよね。それにしてもたまは名曲が多いです。もの作りは楽しんでやっていますが、追い詰められることもあります」
中納「そうですね。昨日も『サル〜』って歌詞が、寝るときも頭から離れなかったです(笑)」
ーーたまの名曲がEGO-WRAPPIN’テイストになるとどうなるのか本当に気になります(笑)。「太陽盤」「月盤」には、1曲ずつ新曲が収録されますね。
中納「ひとつは愛の曲で、男女の恋とかだけじゃなく、親子愛だとか人と人といった、もっと大きな愛をテーマにしました。恋の歌は西野カナちゃんに任せておいて(笑)。もうひとつは、ハッキリ言ってるわけじゃないけど『人間すごいぜ』みたいなことを歌ってます。囲碁で人間のプロ棋士が人工知能に負けたってニュースがありましたけど、それをテレビとかでニコニコ言ってるのが怖い。ホンマ手塚治虫の世界やなと。みんなそうなると予想しているだろうけど、絶対アカンと思うんですよね」
ーーその新曲は20周年を意識して作った部分はありましたか?
森「意識してないけど、ベスト20年と新譜を入れて21年目みたいな感じで。また1年目からやるとしたら、あんまりとらわれずやっていこうって。いつもならバンドで録音するんですが、新曲2曲は自分たちでドラム叩いたりベース弾いたりして、楽器パートもほぼ二人で完結させました。繊細なところも組み込むのが好きで、よっちゃんはソロの時にシンセが多様されてたこともあり、ソロの感じがエゴに戻って導入されて、良いミックス感が出ていれば良いかなと思ったんですよね」