——コウキくんの曲は洋楽のダンスミュージックを意識して作っているのが新鮮でした。 TAIGEN「それ、思いました。コウキのヴォーカルは、切なさもあり、包み込む感じがあって、ふわっと浮遊してるみたい。心地よくてあの曲に合ってる」
コウキ「あの曲にはね。それもバランスですよね。TAIGENくんは流通が世界相手だけど、プロモーションに関してはどこまで考えるんですか?」
TAIGEN「今まであまり考えてなかったんだけど、世界規模での年間プランをバンドで考えることはしなきゃいけない時期に来てて。アメリカはプロモーションとして年に1、2回は作品を持ってライヴに行かなきゃいけない。そのために作品を作るとかね」
コウキ「アメリカだけではなくロンドンも日本もあるし、スケールが大きくて大変そう」
TAIGEN「日本はすごく戦略を練るからビックリするんだよね。イギリスのレーベルはそこまでやらないよ」
——イギリスは日本にくらべるともう少しカジュアルで、ライヴを観に来てくれたメディアがそのまま載せて、有名になっていったり。そういうことが積み重なっていく感じですよね。 TAIGEN「そう、オーガニックな感じ。狙いすぎるとどうしても嘘くさくなるから」
コウキ「そのオーガニックな感じは、ラフトレードでBO NINGENのライヴを観た時にも伝わりました。レコ屋でいいライヴをやって、ライヴ目当てじゃない人もなんとなく観ていて、『うわ、最高!』という反応で。その後の対応もしっかりしているから、観客がCDを買って帰るという流れがすごく自然なことだと思えました。みんな反応がダイレクトなのですごく鍛えられますよね」
TAIGEN「サバイバル感が違うんだよね。生命力みたいなのが」
コウキ「必死にやらないと生き残っていけないし、今ここでまさに闘っている最中なんだということを生で観られてすごく刺激受けました。ロンドンで観たCrossfaithもすごかった」
TAIGEN「Crossfaith、観てみたいんだよね」
コウキ「ゴリゴリのハードなフェスの中で全く負けてなくて、本当に強かった」
TAIGEN「アメリカも回っててすごいよね。アメリカは多分イギリス以上に口コミでも広がるし、レビューサイトもすごく力を持っているから爆発もさせやすい。結局いいライヴをして、いい反響起こしてということが一番大切なんだけど、何回か爆発的に濃い発信をしないと規模が大きい分広がりにくいんだよね」
コウキ「やっぱりライヴですよね。イギリスで一番影響を受けたのもそこです。格好いいロックを作っても、日本にいる時点で本物にはなれないのかと思っていたけど、TAIGENくんたちの活動を間近で見て、ライヴでお客さんを掴んでるのがわかったし、どこでやるにしても、結局色々な音楽を聴いて、たくさんライヴをして鍛えるしかないと思えたのはよかった。自分たちもすごくいい状態なんだとわかったし、視野が広がって自由になった。なにより、こういうことが可能なんだと勇気をもらいました。凝り固まった考えがなくなったのが一番『OPERA』に直結しているかもしれない」