TAIGEN「カテゴライズするほうが簡単だからね。ライヴを観たり、聴いてわかっちゃうようなインフルエンスしか言わないバンドが多いんだけど、それだったら大本のミュージシャンを見た方がいいし、そのままでしか出せないくらい自分のフィルターがないということだから萎えちゃうんだよね。そういうバンドとOKAMOTO’Sは圧倒的に違ってた」
コウキ「ずっと悩んでますけどね(笑)」
TAIGEN「ステップアップしていくほど自分のOKラインもどんどん上がって、アーティストとしてすごく辛くなってくるんだよね。でもそれは必要なことだし、進化し続けていかなきゃいけない。マンネリを求める人もいるかもしれないけど、自分たちが満足できるもの作らないと」
コウキ「マンネリ化すると聴く人も減っていくし、自分たちもテンションが下がっていきますよね。一つのことを突き詰めているプロフェッショナルで格好いい人もいますが、こんなに毎回作風が違う日本のアーティストはあまりいないかもしれない」
TAIGEN「確かに。セールスが厳しい今は特に挑戦が難しくなってきている。でも最新作の『OPERA』は挑戦的で素晴らしい。OKAMOTO’Sがロンドン来た時に、レイジに何曲か聴かせてもらったんだけど、それまでとイメージが違ってたから『冒険したね!』って話をしてて。で、完成したアルバムを聴いたら全曲違う個性なのに、バランスがとれてる。みんなのやりたいことが出てて、テーマもオペラでグシャグシャやってるわけじゃん。1曲の中でもグシャってなってるんだけど、最後にサビのところでOKAMOTO’Sとわかるようになってるのがすごく良くて」
——『Let It V』でもそれぞれの個性が出始めてはいたんだけれど、『OPERA』は次元が違うというか。 コウキ「バランスは常に考えていました。正直、『OPERA』はやりすぎだなと思ったけど、自分たちがノリノリで『なにこれ!? 格好いい!』って取り組めないと意味がない。すごく計画を練って考えるやり方もありますが、僕たちは感覚的で計算できないタイプです(笑)」
TAIGEN「あのアルバムはすごく元気が出たんだよね。懐とかそういう問題だけじゃなくて、バンドとしてすごいチャレンジだから。ブレてたら絶対できないし、本当に強いと思った。でも『どうしちゃったんだ?』とか言われなかったでしょう?」
コウキ「確かに言われなかったですね。もっと言われると思っていましたが、『OKAMOTO’Sがそれをやるのはすごくいいね』という反応が多かった」
TAIGEN「うん、僕も全く同意見。コウキは今、アルバムの何割くらい作曲してる?」
コウキ「『OPERA』ではショウが一番多くて、僕はその次くらいです」
TAIGEN「それがわかりにくい。OKAMOTO’Sみんなで作ったアルバムになっててすごい」
コウキ「みんなで作るというのは重要ですね」
TAIGEN「コウキのソロ曲もすごくいいアクセントだったね」
コウキ「ちょうどTAIGENくんの家に泊まっている時に、ギターを借りてずっと部屋で作っていました」