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藤原ヒロシ × 宮本彩菜『Nothing Much Better To Do』対談インタビュー

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——宮本さんは大阪から上京したときに東京はどんな街に映りましたか?

宮本「最初はホームシックで、ずっと実家に帰りたいと思ってましたね。もともとどこかに遊びに行って、カルチャーや仕事の話をして盛り上がるようなタイプじゃないというのもあって。もちろん、街を歩けば刺激的な人がいっぱいいるなとは思いましたけど、ここで死にたいとは思わなかったですね。嫌いではないんですけど」

藤原「いつか大阪に帰りたい?」

宮本「そういうわけでもないんですけど……ただ、東京は自分次第でもっと楽しめる街なのかなとは思います」

——宮本さんは農業もやってるんですよね。それはどこで?

宮本「岩手県です。そこは私にとっての理想郷のような場所ですね」

藤原「農業をするためにそっちに移住しようとは思わないの?」

宮本「いや、できることなら毎日行きたいです! 本当に」

藤原「そこまで思い入れがあるんだ」

宮本「向こうにいると心と体の状態がすごくいいんですよ。『なんてパワフルになれるんだろう!』って思う」

藤原「何人かと引っ越して小さなコミュニティを作ったりしたらおもしろいかもよ」

宮本「できたらいいんですけどね……」

藤原「そうやってその土地を活性化させたらいいじゃないですか」

宮本「ああ、冬は出稼ぎでこっちに来て仕事して。それいいなあ!(笑)」

藤原「それこそ今しかできないことだと思う。10年後だと意味が変わるから」

——農作物は何を作ってるんですか?

宮本「野菜は全般ですね。ピーマン、トマト、キュウリ、ナス、米なす、オクラ、万願寺唐辛子……とにかくいろんなものを作ってます。お米も作ってるし」

——お米も!

宮本「黒米も赤米もすごくおいしいんですよ!」

藤原「じゃあ今年は向こうに引っ越すことを目標にして、現地に小さな仕事のスペースを作って、そこを基点に動くようにしたらいいじゃないですか。今はパソコン一台あったらなんだってできるし」

宮本「大好きなあの場所にいたら最高だろうなって思うんですけど、今の自分が吸収したいのは海外にあるような気がするんですよね。ニューヨークだったり。岩手は何十年後に住む場所だと思っていたから……最終地点がそこなんだなと思うんです。最終的には自然であり野生に還りたいって思うから」

藤原「でも、最終地点がそこにあるなら、なおさら先にその最終地点に行ってみたらいいと思う。そのほうが楽しいと思う。どちらかと言うと、ニューヨークはもっとあとでいいと思うな」

——藤原さんはなぜそう思われますか?

藤原「いや、一番好きでやりたいことがあるなら、それをやるほうが絶対にいい。どのタイミングでもリセットできるじゃないですか。たとえば1年間農業をじっくりやって、もし飽きたらほかのことをやってもいいわけで」

 

——藤原さんはそうやって生きてきた。

藤原「そう。しかも宮本さんは若いからなんのリスクもないじゃないですか。岩手に撮影ができたり音楽を作れるスタジオを作ったっていいわけだし。クライアントも『岩手にいるならいいや』って言う中途半端な人と仕事をするより、『岩手にいてもぜひお願いします!』って言うくらい情熱のある人と仕事をしたほうがいいと思う」

宮本「そうか……考えてみます」

——藤原さんは今、新しくやりたいことはないんですか?

藤原「特にないんですよね」

——興味があることをやり尽くした感じがある?

藤原「それはわからない。何か見つかったらすぐにやりますけどね。僕は、やりたいことはやるタイプなんだけど、やれないことをやりたいとは思わないんです。つねに現実的なんですよね。だから、宇宙に行こうとも思わないし、宇宙ビジネスをやろうとも思わない。僕には不可能だから。目に見える近い距離にあることをやっていきたい。音楽に関しても等身大でやっていきたいですね。宮本さんの作った曲も聴いてみたいですね」

宮本「ぜひ。今、『黄泉』という曲を作っていて。それはけっこうヤバい曲になると思います。夢のなかで黄泉の国に行ったことをモチーフにした曲なんですけど」

藤原「聴きたいですね」

宮本「じゃあ(と言って、iPhoneに入っているデモ音源を藤原に聴かせる)」

藤原「(音源を聴いて)すごくいいじゃん!」

宮本「やった!」

藤原「これ、ちゃんと発表したほうがいいんじゃないですか? iTunesとかでリリースすればいいのに」

宮本「うれしい!」

藤原「もし、今後何かお手伝いできることがあればしますよ」

宮本「ぜひ! ありがとうございます」

 

撮影 依田純子/photo Junko Yoda

取材 三宅正一+桑原亮子/interview Shoichi Miyake(Q2)+Ryoko Kuwahara

文 三宅正一/text  Shoichi Miyake(Q2)

企画・編集 桑原亮子 edit/Ryoko Kuwahara

 

 

 

 

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Victor Deluxe Edition #1“TOKYO LOCAL CLASSICS”Good Music for Good LIFE

– Hiroshi Fujiwara’s TOKYO LOCAL SCENE –

藤原ヒロシ

『Nothing Much Better To Do〈Deluxe Edition〉』

発売中

(Victor)

http://www.amazon.co.jp/Nothing-Much-Better-Do%E3%80%88Deluxe-Edition〉/dp/B018HRVKXI

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『HIROSHI FUJIWARA in DUB CONFERENCE』

3月23日発売

(Victor)

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『“Yuri”Original Soundtrack』

3月23日発売

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藤原ヒロシ

80年代よりクラブDJを始め、1985年TINNIE PUNXを高木完とともに結成し、日本のヒップホップ黎明期にダイナミックに活動。90年代からは音楽プロデュース、作曲家、アレンジャーとして活動の幅を広げる。2011年より真心ブラザースの倉持陽一とともにAOEQを結成し新たなバンドスタイルでの演奏活動を行っている。ワールドワイドなストリートカルチャーの牽引者としての顔も持ちファッションの分野でも若者に絶大な影響力を持つ。2014年4月より青山に「ザ・プール青山」をオープン。3月26日には青山から銀座に場所を移し、コンセプトストア「THE PARK・ING GINZA」を出店予定。また、2015年11月より、モノの新旧に拘らず、自らが見たい、読みたい、知りたいと思う情報を集めてグローバルに発信するデジタルメディア”Ring Of Colour”をスタートした。

http://ringofcolour.com/

 

宮本彩菜

1991年大阪府生まれ。 2013年より本格的に活動をスタート。 広告、雑誌等にモデルとして登場する傍ら、 自ら撮影、編集した動画や描いたイラストが注目され、 クリエイターとしても国内外で注目を集めている。

https://www.instagram.com/catserval/

 

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