――MARCYは電子ドラムこそ叩いていませんが、THE BAWDIESは、60年代のガレージロック・バンド、THE SONICSとの出会いをきっかけに、深く掘り下げるようになったリズム&ブルースやソウル、ロックンロールがルーツにありつつ、バンドとしては現代的な発想に立った音作りをしているんです……よね?
MARCY「(笑)その通りです」
マーティン「なるほど。THE BAWDIESの音楽スタンスはチャーチズとすごく近いと思うな。僕らも80年代、90年代のシンセポップ、エレクトロニックポップに片足を突っ込みながら、今の時代ならではの音にも耳を傾けていて、自分たちにとっては、今日生まれた音楽に興奮するのも、30年前に生まれた音楽に興奮するのも一緒なんだ。チャーチズは、そういう至極今日的な感覚に、自分たちの個性を加えることで、現代のリスナーに共感してもらえる音楽を産み出そうとしているんだよ」
MARCY「チャーチズの考え方は僕らと似てると思います。THE BAWDIESは、60年代のサム・クックとかオーティス・レディングが好きなバンドなんですけど、その良さを現代のリスナーに伝えるのは難しいから、チャーチズの音楽を聴いたりしながら、現代に生きている自分たちならではの音作りや曲のテイストを取り入れたりしているんです」
――現代的な音作りというのは?
MARCY「レコーディングは基本的に一発録りだし、もちろん、ドラムは生で叩いているんですけど、例えば、そのリズム・パターンをループ的なものにしてみたり、録り方を工夫したり、音を加工することで、ダンスミュージックのビートに近づけたり、その都度、試行錯誤をしているんです」
マーティン「一番大事なのは、曲だと思うんだ。サム・クックやオーティス・レディングの曲は、確かに昔に作られたものだけど、今でも聴き手の心に響くのは、素晴らしい曲、素晴らしいヴォーカルパフォーマンスがあるからだよね。そのうえで、THE BAWDIESのようなバンドだったら、メンバー全員が一つの部屋に集まって演奏することで生まれるエネルギーを伝えることは大事だと思うし、そのエネルギーをリスナーに伝えるためには、現代的な音作りや手法が必要になってくる」
イアン「僕らの場合、デモの段階がなく、作り始めた時点からレコーディングが始まるというか、レンガを積み上げるように少しずつ曲を作っていくから、その点はバンドと大きく違うところなんだけど、僕らは3人ともそれぞれ、チャーチズ以前はギターで曲を書いていくスタイルのバンドで活動していたから、チャーチズの曲作りは、その時の経験も活かされているんだと思う」
ローレン「私はエレクトロポップ・バンドではあるけれど、気持ちとしては、オルタナティヴロック・バンドの精神性を持ったバンドとしてライヴで演奏してるから(笑)」
MARCY「機会があったら、僕たちのライヴも観て欲しいな。僕らは、去年、フランス、イギリス、ドイツを回るヨーロッパツアーに行って、すごい反応が良かったんですけど、チャーチズは僕ら以上に世界のあちこちをツアーで回ってるじゃないですか? その土地によって反応だったり、演奏する側の意識は大きく違うものだったりするんですか?」
イアン「文化や国の違いによって、オーディエンスの反応は違うし、ライヴで感じられるエネルギーも違うから、ツアーではその違いが楽しみどころでもあるよね」