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『星ガ丘ワンダーランド』中村倫也インタビュー

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この映画は僕らの生んだ“自慢の息子”

 

——————この映画を通じての中村さんご自身の気づき、役者として学んだことなどはありましたか?

中村 「僕は役者として、人間の持つ矛盾とか葛藤とか、いろんな感情が揺れている様とか、そういったものもひっくるめた人間の業(ごう)みたいなものを表現するのが好きなんです。その点、この映画は本当に美しい映像表現と反比例して、登場人物の内面もまた非常に生々しいところまで描ききっている。その辺のギャップがとても面白いと思います。撮影している時もそうでしたが、改めて僕はそういう風な役者としてのあり方が好きなんだなと再確認しました」

——————(このインタビューが行なわれた)本日は、夜にこの映画のプレミア試写会を控えています。いよいよ大勢のお客さんの元に届ける日がやってきたわけですが、昨晩は興奮してなかなか寝付けなかったとか、そう言ったことはありませんでした? 

中村 「大丈夫です(笑)。今更あがいてもどうしようもないですからね。重要なのは、撮ってる最中に誠心誠意向き合って、胸を張るものを作り上げること。そこから先はもう分からない。もはや『僕らの生んだ、自慢の息子です』って紹介するのみです。ずっとそういったメンタリティで生きてきたので、ここで緊張したってしょうがない。どんな風にお客様に召し上がっていただけるかな、という感じで、むしろワクワクしてます」

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撮影 吉場正和/photo Masakazu Yoshiba

インタビュー・文 牛津厚信/interview&text  Atsunobu Ushizu

企画・編集 桑原亮子/edit  Ryoko Kuwahara

 

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『星ガ丘ワンダーランド』

星ガ丘駅の近くにある、今は閉園してしまった遊園地、星ガ丘ワンダーランド。駅の「落し物預り所」で働く温人は、落とし物の持ち主を想像しては似顔絵を描くことが日課だった。そんなある日、20年前に姿を消した母の訃報が届いた。かつて笑顔と喜びにあふれていたワンダーランドで自殺をしたという。その死をきっかけに、温人は離れ離れになっていた兄、そして義理の姉弟と出会うことになる。そして彼らが出会うとき、閉ざされていた過去が明らかになっていく……。

柳沢翔長編初監督作品

中村倫也 新井浩文 佐々木希 菅田将暉 杏 市原隼人 木村佳乃 松重豊

2016年3月5日(土)より全国ロードショー

配給:ファントムフィルム

http://hoshigaoka-movie.com

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