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BATTLES 『La Di Da Di』インタビュー

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2002年にニューヨークで結成されて以来、世界のポストロックシーンに絶大な影響を与えてきたバトルズ。2015年9月にリリースされた待望の3rdアルバム『La Di Da Di』は、緻密に考え抜かれたサウンドの「構築性」と、メンバー3人の個性がぶつかり合うスリリングな「即興性」が奇跡的バランスを見せた傑作だった。無味乾燥でコンセプトだけ先走った実験音楽とは真逆の、血湧き肉躍るエクスペリメンタル・ロック──。その複雑かつ豊穣なグルーヴの核にいるのが、イアン・ウィリアムズ(ギター、キーボードほか)とデイヴ・コノプカ(ギター、ベースほか)の繰り出す変幻自在なループに対して、ダイナミックな轟音ビートを叩き出すドラマーのジョン・スタニアーだ。昨年11月の来日公演でも、シンバルを異様に高い位置にセットした独特のドラムセットを駆使して、超満員のオーディエンスを熱狂の渦に叩き込んでいた。ステージ上の荒ぶる姿とは対照的に、素顔はインテリジェント、かつジョークを絶やさないジェントルマン。東京でのライブを控えた忙しい来日スケジュールの合間を縫って、新作『La Di Da Di』の舞台裏について語ってくれた。

 

──最新アルバム『La Di Da Di』、素晴らしい作品でしたね。聴けば聴くほど新しい発見があって……。

 ジョン「ありがとう!」

──複数のゲスト・ヴォーカリストを招いた前作『Dross Glop』(2011)はサウンドも自由奔放というか……アイデアが際限なく拡散していくような、混沌とした魅力がありました。一方今回の『La Di Da Di』では、歌の要素は思いきってカットしていますね。サウンドにも凝縮感があり、どこかストイックな感じを受けます。メディアには「原点回帰」という批評も見られましたが。

ジョン「うーん、それはどうかな。バンド結成からもう15年近くたつけど、今回のアルバムがまだ3枚目だからね。そもそも原点回帰するほどの数がない(笑)。ただ、ストイックという印象を持ってもらえたことは嬉しいよ。要因はいくつかあると思う。まずゲストを交えず、メンバー3人のやりとりだけで作っていること。それからご指摘の通り、ヴォーカルを入れず器楽的な演奏に終始していること。あと、前作みたいにスタジオで試行錯誤するのではなく、事前の用意をきっちり行ってレコーディングに集中したこと」

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