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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」 #26 経皮毒

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こういう肌から不用意に健康を害する物質を吸収してしまっていることが実は日常化していて、肌を経由して毒物を摂取してしまう現象を総括した言葉に「経皮毒」がある。
文字通り皮膚を経由して毒を吸収してしまうわけだが、口から吸収する経口吸収に比べて、経皮吸収は、吸収するための速度が段違いに速く、わずか数秒と言われている。経口だと消化に時間がそれなりにかかるので、早急な薬効を必要とする時には、皮膚や粘膜から投与することになる。
これは裏返せば、毒物なども皮膚を通して素早く吸収されてしまうことを意味し、なおさら皮膚に触れる製品には注意が必要だということになる。
「経皮毒」の概念を提唱している薬学博士の竹内久米司、稲津教久両氏によれば、アレルギー、花粉症、気管支ぜんそく、癌などは、日用品に含まれている有害物質が原因とされていて、シャンプーや台所洗剤を変えただけで、症状が改善される例も多いとのことだ。
やっかいなのは、製品の成分表記には、わざわざ毒物だとは書いていないということ。リスト中には体に本当に良い成分も混在しているので、悩ましい。なので、ネットで検索した毒物表などを片手に買い物しなくてはいけなくなる。これはかなり面倒なことで、目安としてカタカナ成分がやたらと多いのは避けるといいだろう。
自分の体を守るためには予備知識が必要なのは、仕方がないことだが、食事同様、あまりにも知識に支配されてしまうことは、別のストレスを生む事になる。
なので、私はすっぱり断つことを試しているわけだ。皮膚に直接触れるものだけだから、アイテムとしては洗髪まわりのもの、石鹸、そして歯磨き粉だ。
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