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DARKSTAR『Foam Island』インタビュー

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―ウエスト・ヨークシャーの地域社会と連動しながら作られたアルバムですが、その作っていく過程で、ウエスト・ヨークシャーに限らず他の国や世代にも当てはまる普遍的なメッセージを持った作品になるのではないか――みたいな感覚もあったのではないでしょうか?

ジェームス「そうそう、そこが最終的に目指してたところなんだ。今回こうした政治的/社会的なテーマにフォーカスしてるのも、ウエスト・ヨークシャーで起きてる現実がそのまま世界のどこかの町の若者なり上の世代の現実にも当てはまるって確信があったからなんだ。どこの国や地域にも、政治的な政策や方針や、あるいは社会的な動きに対して失望している人達は必ずいるわけだからね。政治や社会的な政策にしろ、宗教的なものにしろ、もしかして自分の将来を決定するかも知れない決断が自分の知らないところで日々決められて行くことに対して疑問を抱いている人はいるは必ずいるからね」

―ちなみに、アートワークに収められている建物は実際にウエスト・ヨークシャーにある建物なんですか?

ジェームス「知り合いのアーティストが撮影を担当してくれてるんだけど、あの建物にしろ、今回自分達がインタビューした人達だったり実際に訪れた場所を撮影してくれて。アートワークの中にある駐車場もそうだけど、現実をそのまま記録として映し出したくてね。まあ、アルバムのアートワークだから、一応アートとして成り立つように美しい形で表現されているけど、ウエスト・ヨークシャーの現実をリアルに映し出すものにしたかったんだ」

―あの建物にはウエスト・ヨークシャーのどんな部分が象徴されてると言えますか? 

ジェームス「ウエスト・ヨークシャーってすごく面白い町だと思うんだ。美しい田舎の風景に囲まれた中に工業地域みたいなのがあって、大型ショッピングセンターみたいなのが中心部にあって……それと坂がすごく多いよね。丘や緑の風景が広がっててさ。何よりもそこに住む人々の共同体意識というか、コミュニティの繋がりみたいなものを感じるんだ。コミュニティの意識が強いが故に、外部の人からしたら少し閉鎖的な雰囲気があるのかもね」

―ところで昨年、マーク・ベルが亡くなったとき、前作『News from Nowhere』のプロダクションはマーク・ベルに影響を受けた、って内容のことをツイートされていましたね。今作に関してもマーク・ベルの影響が反映されているところはありますか? 

ジェームス「常に影響を受けてるよ。こないだのミックス・テープは聴いた? アルバムが出る2、3ヶ月前に出たんだけど、その作品の中でLFOのリミックスをしてるんだ。マーク・ベルからはまあ、とにかく多大な影響を受けてるよ。マーク・ベルの生前最後のショウで前座を出来たっていうのも、すごく光栄なことだしね。ものすごく残念なニュースだし、驚いたけど、本当にパイオニア的な存在だと思うよ」

―前作もそうでしたが、今作においてもヴォーカルや歌詞が重要な位置を占めています。そうした部分で影響を受けたシンガー・ソングライターなどはいますか? あるいは好きなアーティストとか。 

エイダン「自分の場合、今回初めてヴォーカルをとってるってこともあるから。自分の声を使ってどういうふうに自分を表現していくかってことが今後の自分の課題でもあり……この先、どうやって自分の声でありサウンドを見つけていくかってことだよね。そういう意味で言うなら、アーサー・ラッセルとか、声がまさにその人自身が乗り移ってるような。もし仮にヴォーカルに関して影響を受けたっていったら、アーサー・ラッセルかな」

―ちなみに、今年の春ぐらいにワイルド・ビースツとコラボしたポール・マッカートニーの“テンポラリー・セクレタリー”のカヴァーを公開されましたよね。あれはどういった経緯で?

ジェームス「もともと、『マッカートニーII』ってアルバムが好きで、何年か前にあの中に入ってる曲にちなんでアルバムのタイトルを『チェック・マイ・マシーン』にしようっていう案があったくらいなんだ。それくらいマッカートニーの作品が好きで、“テンポラリー・セクレタリー”についても、何年か前からカバーしてた作品だったんだけど、ずっとファイルで保管したままの状態で外に出す機会がなくて。それがミックス・テープをやるタイミングで浮上してきたというか、シリアスにならずに単純に楽しんでもらえると思ってね。実際、すごく好評なんだよ」

―あの曲のどんなところに惹かれたんですか? 

ジェームス「それまで見せてなかったマッカートニー像みたいなものが初めて見えた作品だからじゃないかな。エレクトロニックな音だったりキーボードを全面的にフィーチャーした作品で、マッカートニーのソングライターとしての実力が、アコースティック・ギターだとか、そうした先入観なしで初めて表現されてる気がして」

―2人にとって、モスト・フェイヴァリットなビートルズの作品は? 

ジェームス「『リボルバー』かなあ……いや、『アビイ・ロード』だね。“カム・トゥゲザー”を超えるアルバムのオープニング曲はないし。“ア・デイ・イン・ア・ライフ”が一番好きな曲なんだけど、あの曲も『アビイ・ロード』に収録されてるから、一番を選ぶならやっぱり『アビイ・ロード』だね」

エイダン「自分は『リボルバー』の中に入ってる“アイム・オンリー・スリーピング”って曲が好きで。あと、もう一つ好きなのは『ホワイト・アルバム』の中に入ってる“ブラックバード”って曲で、だから『リボルバー』か『ホワイト・アルバム』かってとこかな」

 

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DARKSTAR

『Foam Island 』

(WARP RECORDS/ BEAT RECORDS)

 

発売中

 

国内盤CD  ¥2,000(+税)

国内盤特典:ボーナストラック追加収録

 

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