——でも、コーラスワークもここ数年でかなりよくなってますよね。
長岡「そう。コツをつかんだんですよね」
三浦「昔はヒドいもんだったよ(笑)」
河村「それは鍛錬の賜物ですね」
長岡「シンプルだけど、やってることは難しいから。ガーン!と勢い良く鳴らしてそれで成立する音楽もあるけど、ペトの曲は一つひとつの音が重要な点のように存在してるので、それをしっかり演奏するのは難しい」
——だからこそ、ライブでやり続けることで自分たちの成長も実感できるんだろうし。
長岡「そう、演奏しながら遊べるようになってる自分に気づくから。そういう瞬間がうれしくて」
——ペトロールズの曲を聴き飽きることがない理由には、ちゃんと裏づけがあるんですよね。
長岡「あると思いますね。いかにもロック的な感じでガーン!って鳴らす曲だと、そういう成長や遊びになかなか気づけないと思うけど、音楽をよく聴いてる人も『おっ!』って思えて、そこまで音楽に詳しくない人でも微妙な変化に気づきやすい曲がいいなと思っていて」
——だからね、ペトロールズの曲は聴き手もクリエイティブにすると思うんですよ。
長岡「うんうん、いいですね、それ。感情云々ではなくてね。むしろ感情も曲を聴く人がそれぞれ自分で作れるというか」
——アーティストのみならず、クリエイティブな作品を享受する側の発想が豊かになってこそ、ルネサンスははたされると思うから。やはり『Renaissance』というのは絶妙なタイトルだと思いますね。
長岡「いい話。そうだよね。そうじゃないと世の中に無粋な音楽ばかり流れることになっちゃうと思う。そういう主張をペトロールズというバンドの存在や曲そのものでわかってもらえたらうれしいですよね」