ーTATSUNO OTOSHIGOの話が来た時には、そのコンセプトも共感してっていう感じですか?
若杉「僕、学生時代から龍をテーマに作品を作ってたんです、龍が好きで。1回目に登場した琴ちゃんという子も“龍の目醒め”って歌を作ってて、それを聴いて大号泣しちゃって。で、どこかでコラボレーションしたいなという話もしてたので自然と。自然だったよね?」
松橋「そうだね。皆、奇跡的に平日の昼に打ち合わせに来れて」
ー幸染さんも亜紀ちゃんから声がかかって?
幸染「そうですね。クウェートでファッションショーがあった時に、亜紀さんとkotoちゃんがいて。私はkotoちゃんの『龍の目醒め』で踊ることになってて。私も去年一昨年と龍にご縁があって、皆意識せずに繋がってたんです」
ー幸染さんはいつ頃から日本舞踊を始めたんですか?
幸染「1歳半から動きの練習を始めてますね。歩いてからすぐです」
ー普段はどんな活動をしていらっしゃるんでしょう?
幸染「日本舞踊は歴史のあるものなので、それを継承していく為、日々稽古に励みつつ国立劇場などの舞台に立ったりしていますが、新しい事や色んな事にも挑戦して行きたいので、異業種の方とコラボレーションして、ライブハウスや野外ステージなどに立ったり、映像や写真で作品を作ったりしています。今回のTATSUNO OTOSHIGOもその一つで、私は舞台で『獅子の毛振り』をする事があるのですが、今回はそれを龍の化身に見立てています。新しい事に挑戦すると、ポーズなど身体の動きを確認していく過程で、あらためて日舞の動きの難しさに気付かされる時があります。一生勉強ですね」
松橋「ちゃんと基礎ができてるからこそのアバンギャルドなんですよね。じゃないと、ただの偽物になっちゃうから。そこがすごい強みだと思うし、かっこいい」
ー幸染さんや若杉さんはそもそものお仕事が伝統文化に携わるものですが、他の皆さんも伝統文化や龍に興味があったんですか?
柴田「そうですね。私も衣装制作の際に、国産の生地を使っていて。日本の生地ってすごく丁寧で、他の国のものとは全然違うんです。以前はロンドンで(アレキサンダー・)マックイーンで仕事をしていたんですが、すごく勉強になることが多い一方で、日本の良さがすごくわかりましたね」
ー衣装はTATSUNO OTOSHIGO全体で話し合うのか、それとも柴田さんが一から提案される形なんですか?
柴田「大まかなイメージだけいただいて、デザイン画を描いて、それを見ていただいて、で、全部作っちゃう感じです。芦ノ湖の時は天女のイメージで作りました」
松橋「衣装もですけど、イメージだけで厳密な打合せをしてなかったから、芦ノ湖の撮影では皆が同時に何かやってく感じでした」
明田「モデルとして集まった人たちも普段プロのモデルもいるけどそういうじゃない人もいるから大変で(笑)」
松橋「なんか笛吹く人がいたり、ファイヤーやる人もいるし、Sea-laちゃん(モデル)は11月の末に水の中入って行っちゃうし。本当に色んなことを同時にみんながやっていて。なんかこう……あれがもう作品みたいでした。ちょっと道化師っぽいような雰囲気もあったし、すごいエネルギーではあった」
立山「でもスタイリングに関しては事前に色の分配は決めたんです。篠笛奏者のkotoちゃんは赤で、ファイヤーダンスの雪くんは黒、モデルのSea-laちゃんは白だったんです。Sea-laちゃんの衣装は柴田さんが作って、ベースの服のプラスアルファの部分の小物とかは僕が用意して。kotoちゃんの赤い服は全部用意して、雪くんの黒い服は上半身裸なんですけど、普段着ているのに何か足せる様な感じで持って行きました」