ここまで見てくると、整体というのも、この連載で扱ってきた多くのヒーリングと全く方向が共通していて、つまりは入り口のバリエーションの一つとして捉えても差し支えないと思う。
整体では、身体の歪みという目に見える症例をきっかけとして、目に見えない心身にも向き合うのだが、その気の用い方などは、レイキや氣功などとも通じるし、とても興味深い。どの入り口を選んでも、自分と向き合うプロセスの中で、重要なポイントは驚くほど重なっているというのは、逆にいえば、どれを選んでも、それを正しく学んで実践していけば、同じ効果が得られるのだろうと予測がつく。
一方で、これは整体の概念から捉えると、とても分かりやすいという箇所もあり、そのうちの一つを紹介したい。
これはセルフヒーリングでの意識の用い方の良例なので、ぜひその差を実感してもらいたい。これは前述の片山洋次郎さんの著作「整体から見る気と身体」に記載されているものだ。
その紹介の前に、前口上的に、ひとつ説明しておくと、気が良く流れる状態というのは、自分自身という内側から自分をとりまく世界である外側へと意識を向けている時だとされていて、逆に外側から内側への意識だと、気がうまく流れない。これは主観・直感と客観と置き換えられる。
子供に良い気が流れているのは、彼らは常に主観的に世界捉えていて、つまり内側から外側への意識だけで生きているからだ。子供の書く絵はそれを如実に示している。内から外へとは、自分の好きなように描き、存在することだ。
それに対し、大人になると客観することが多くなる。なぜなら大勢の中での自分の位置付けが社会によって求められるからで、大きな外側の世界の中で、自分の存在のバランスを取ろうする。だが、外から内を見ていてばかりでは、気の流れが悪くなってしまい、病気の一因になる。なので、内側から外側を見るという子供のような意識の流れを作ることが、気の流れを良くするために必要なのだ。それを知った上で、セルフヒーリングを行うと良い結果が得られる。
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