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FPM 『Moments [Best 45 fabulous tracks by FPM]』× バニラビーンズ「女はそれを我慢しない」インタビュー 

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ヒップホップやテクノ、ハウスといったクラブ・ミュージックから、ネオアコ、ギター・ポップ、R&B、ソウル、ジャズまで、様々な音楽のジャンルを超えた形で、そしてファッションやカルチャーも飲み込んで、90年代のユース・カルチャーの大きな潮流となっていた「渋谷系」。その流れからは数々のアーティストが登場し、現在も活動を続けている人間も多いが、活動20周年を迎えるFPMも、トップ・ランナーとして活動を継続させ、そして進化し続ける一人である。今回リリースされた『Moments [Best 45 fabulous tracks by FPM]』は、流麗かつポップ、そして軽やかでハッピーな気持ちをリスナーに伝えるサウンド感に貫かれ、改めてその鮮やかさに驚かされる、FPMの20周年を記念するに相応しい充実のベスト盤となっている。

 一方、その渋谷系に流れていた空気感を受け取り、そのイズムを引き継ぎながらも、オリジナルな活動を展開するアイドル:バニラビーンズ。レナとリサの2人で構成されるこのユニットは、楽曲では良質なポップスを提示し、ルックスでは卓越したプロポーションと大人っぽい美形さでファンを虜に、そしてレナはアイドル・ファン、リサは洋楽とサブカルのファンというメンタリティを通して、様々なアプローチを展開してきた。その彼女達も11月18日にトリプルA面シングル「女はそれを我慢しない / ビーニアス / lonesome X」をリリースする。が、そこでは「1万5千枚を出荷できないと解散」という条件が突きつけられた。

 崖っぷちに追い込まれたバニラビーンズに対して、FPMはどういったアドバイスを送るのか、そして、二組にとって「渋谷系とは」「音楽を作ること」とはなど、多角的に語りおろしていただいた。

 

——FPMとしての活動20周年、おめでとうございます。

レナリサ「おめでとうございます!」

田中「ありがとうございます。とは言え、ダラダラと20年キャリアを経てきてしまったので、全く振り返ることがない(笑)。意外と僕は勤勉なタイプで、平日はスタジオ入って、オリジナルやCMソング、リミックスなどの楽曲制作をして、週末はDJとして年間150本近く現場で活動するっていう生活を、ここ15年近くコツコツ続けてるんですね。その先に20週年があったという感じで」

——変化や楔を打つようなタイミングはあったと思うんですが、そこばかりを強く意識されている訳ではない、と。

田中「ちゃんと振り返れば、勿論そういうタイミングもあったと思うし、それが起きた時には意識してたとは思うんですけど、過去に執着があまり無いタイプなんで。それに、あんまり昔の事に拘ったり、過去に自分の活動のピークを持っていくのって、ちょっと格好悪いじゃないですか。『次に作る曲は、もしかしたら歴史を変えるような曲になるかも』って思わないと、音楽家はやってられないのかなって。僕の場合はそれがモチベーションでもあるので、あえて過去に対しては健忘症気味にしてると思いますね。なので今回は、人はいつの間にか20年もキャリアを経てしまうんだと、歳を取ってしまうんだという事を、バニビのお二人にお伝えできればな、と(笑)」

レナ「私たちは今年で活動8年目なので、田中さんに比べたらまだまだですよ」

田中「でも、結構長いキャリアになるんだね」

リサ「アイドルって考えると、このキャリアはもう少ないですね。同世代だとPerfumeさんとか」

レナ「でも、バニビみたいに売れてないで8年続ける人はいないですね(笑)」

田中「そうなんかなぁ。売れてるんじゃないの?」

リサ「売れてたらこんな事になってないですよ!」

レナ「ノルマなんて設定されないですよ!」

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