NeoL

開く

OKAMOTO’S『OPERA』インタビュー

OKAMOTO`S_0062-

――なぜ物語が必要だったんですか?

ショウ「まず一つは、バンドが転換期を迎えたということで、今までのようにいい曲、いいメロディという武器だけに頼らず、リスクを背負って、濃いものや挑戦的なものを作らないと、10周年を迎えた時にすごい景色が見られないんじゃないかと思いました。だからこそ、「変わったね」と言われるスゴい作品を作りたかった。でも、当初はそれが何なのか分からなかったんです。でも、その後、くるりの岸田(繁)さんをプロデューサーに迎えた楽曲「Dance With Me」を作ったことでみえてきたものが、曲調が超展開していくサウンドはもちろん、俺たちにとって、何が大きかったかというと、歌詞でした。最初に「この曲を一緒にやりたいんです」と、デモを持っていったら、岸田さんにはっきりと歌詞をダメ出しされて、「歌詞が何を言いたいのか分からないのに、曲がやりたい放題の展開でどうしたらいいか分からないから、まず、4人で話し合ってみて」と言われたんです」

――なるほど。

ショウ「そのうえで、「こういう節目のタイミングの曲はメンバー全員で書くべきなんだよ」というアドバイスを受けて、4人で出し合った言葉を元に歌詞に組み上げていったら、一人で書いた歌詞のような簡潔さはないものの、俺たちがずっとモヤモヤと抱えていた想いを初めて言葉に出来たような、そんな歌詞になったんです。そのなかでも象徴的だったのが、コウキが書いた「ローリングストーンズが最高ってことになんで みんな気がつかないんだろう?」という一節で、「もうホント、それ!」っていうことを簡単に言えるコウキはスゴいと思ったし、「やっと、こういう曲が書けた」と自信が持てる1曲になった。そこから、この曲があまりにいいので、今回のアルバムではこの楽曲に至るまでの自分たちの心の動きを描いていったらいいんじゃないかと思いつきました。更に、バンドとして変わりたいという想いも相まって、アルバムに物語を付けようということになったんです」

――そして、サウンド面に関して、OKAMOTO’Sの4人は、ヒップホップやダンスミュージックを含め、古今東西の音楽を聴きつつ、これまではバンドの基本となるロックンロールをブレずにやってきたと思うんです。今回、バンドが変革期を迎えたタイミングで、これまで敢えて抑えていたものを解放しようという気運が4人のなかで高まっていったんですか?

ハマ「これまでのOKAMOTO’Sは、メンバーそれぞれに音楽の幅がありつつ、昔のオーセンティックなロックの要素が入っていて、それでいて、センスがよくて、みんなが好きになってくれるロックバンドのフォーマットのいい落としどころを考えてきたんです。でも、今回はその点を一番に意識せず、まずは「Dance With Me」に端を発する歌詞のストーリーに沿ってアルバムを作っていくなかで、音楽ありきというより、その歌詞の場面に合った音楽を考えていったことで、結果的に音楽性の幅が広がりましたし、今まで表に出ていなかった部分が形になっていきました」

ショウ「あと、今までの作品では、ライヴで再現出来ないことをやらないようにしていた節があったのですが、今回は音源としていかに面白いかということを意識して作っていきました。それと、作品制作の手綱を握るのは基本的に俺なんですけど、みんなからの提案に「NO!」と言わないようにしたんです。というのも、今まではオーセンティックなロックがすでに格好いいので、極力崩さないようにしようとしていたんですけど、それぞれの持つ異なる音楽テイストがもっと混ざって、新しいものが生まれたら、それがOKAMOTO’S色の旗になるんじゃないか、と。だからこそ、自分たちのオリジナリティがどこまで出せるのか挑戦したい時期が来たのかもしれない」

1 2 3 4

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS