tofubeats / POSITIVE feat. Dream Ami
――例えば、前作『First Album』でも森高千里さん、BONNIE PINKさん、藤井隆さんといった豪華なゲスト陣が参加されていますけど、小室さんやKREVAさんのtofuくんの印象や思い入れはどういうものですか?
tofubeats「正直言うと、自分が強く思い入れのある、ファンだった方々との共演が『First Album』で実現できてしまったところがあるんです。BONNIEさんや藤井さんといった自分が会いたかった人にすべて会えてしまった。なんなら藤井さんには関西の芸人さんにまで会わせてもらってしまって、憧れがガンガン叶っていったんです。自分の予定よりちょっと早回しで物事が進んでいったことで、『この先をどう生きていこう?』となったときに、“もうひとつ向こう側”っていう意味で、KREVAさんにお願いしたというのはありますね」
――小室さんに関してはどうですか?
tofubeats「僕は宇多田ヒカルさんとか、ポストJ-POPで育っているんですね。中島美嘉さんとかDefSTAR Records全盛期のころです。プロデューサーで言うと、松尾潔さんや中田ヤスタカさんですよね。なので、小室さんに関して言うと、J-POP DJを申し訳ナイタズの一門に入って学ぶなかで、小室さんがプロデュースした内田有紀さんの“Only You”(1995年)とかを過去のディスコグラフィーへのリスペクトとして知っていくんです。J-POPでジャングルを出してくれてありがとうございます、というフェチっぽいところから入ってる」
――ということは、小室さんとは直接の面識もなかった?
tofubeats「小室さんとは去年の年末の<カウントダウン・ジャパン>で初めてお会いして、お話しさせてもらったんです。そこで、音楽的な反射神経がめちゃ高くて、かつすごいしゃべられる方だっていうのがわかったんですよ。僕がやりたい音楽のこともすぐ言い当ててくれた上に、ミュージシャンとしてめっちゃ対等に接してくれてものすごくビックリしたんです。それで『一緒にやってくれるんちゃうかな?』と思ってお願いしたんです」
――小室さんとの“Throw your laptop on the fire”はなんとも形容しがたい突き抜けた楽曲で、ある意味トランスですよね。
tofubeats「小室さんの音はやっぱり特殊なので、便宜上トランスと言うしかない、みたいな感じですよね。僕もこの曲をなんて言ったらいいかわからないんですけど、そういう曲ができたのがすっごいうれしかったっていうのはあります。小室さんも仕上がりを聴いて笑ってましたし、僕も笑いましたね(笑)。そういう曲が作りたいっていうのもあるから良かったですね」
――KREVAさんとの“Too Many Girl”の制作はどうでした?
tofubeats「『POSITIVE』というタイトルが決まってからKREVAさんにオファーしているんですけど、『トラックを聴いてから判断させて欲しい』という返事をもらえたんです。それでトラックと『Too Many Girls…』というサビの歌を吹き込んだものを送ったんです。やっぱりKREVAさんはイケメンMCだから、そういうサビにして、KREVAさんがそれに対して歌ってくれて、その後僕が2ヴァース目を書き足しましたね。2、3往復ぐらいのメールのやりとりで完成しましたね。ちなみにKREVAさんとは曲を作ったあとに<ロック・イン・ジャパン>で初めて会ってますね」
――リスナーとしての最初のKREVA体験はどこでしたか?
tofubeats「小5、小6でキック(KICK THE CAN CREW)ですね。そのころが『VITALIZER』(2002年)が出たあとじゃないんですかね。だから、日本語ラップ原体験が、リップ(RIP SLYME)とキックなんですよ。で、中学校に入ってからブッダ(BUDDHA BRAND)とかニトロ(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)に行くんです」
――tofuくんの昔からのファンは当然知ってることですけど、元々ヒップホップですもんね。
tofubeats「はい。完全なる『blast』読者でしたね」
――ははは。これからファンになっていく人にとっては出自がヒップホップというのは新鮮な事実かもしれませんよね。
tofubeats「ここまで来るとそうかもしれないですね」