そして、ここにきていよいよ断捨離とヒーリングの関係について語りたい。
物理的な整理整頓が、精神的な整理整頓に繋がって、心の安定をもたらすということは、おそらく分かりやすいことだと思う。
家の中で、何がどこにあるというのを把握しているということは、心の混沌を生まない。
これは捨てる技術がもたらした恩恵だ。
ここでは、次の溜めない技術をヒーリング的な立場から語ろうと思う。
たとえば、ストレス。それを溜めない技術というのは、セルフヒーリングとしてとても大切だ。病気になってからヒーリングを始めるのではなくて、未然に防ぐというのは断捨離の溜めない技術がそのまま使える。不要なものは右から左へと全力で流す。
溜めないためには、一人一人にもちょっとした知識と技術が必要だ。とはいえ、大げさなことではなく、電車に乗っていたり、ちょっとした合間にできることを一つ二つ知っているだけでも大きく違うと思う。それを知っているだけで、病気を溜めない意識ができ、それが病気から離れるためのきっかけとしてとても大切だと思うからだ。
ここではツボの合谷(ごうこく)をお勧めしたい。有名なツボだが、ツボと知らずに押している人も多いと思う。
スマホをいじる手を止めて5分ほどでいいから、是非毎日何度もやってもらいたい。
合谷というのは万能ツボとされていて、頭痛、肩こり、便秘、歯痛、のどの痛み、風邪、鬱、精神不安、無気力、不安など多岐に効果があるとされている。
合谷の場所は手の親指と人差指の骨の付け根にあって、押せばジーンとするから見つけやすいと思う。
それを痛くならない程度に刺激するのだが、押す指をゆっくり回転させてもいいし、数秒押し続け数秒離すというのを繰り返してもいい。痛心地よいやり方で刺激を与えてあげると、肩こりや頭痛などには割とすぐに効果がある。手にあるツボなので、シチュエーションを選ばずにさっと出来るというのも良い。
面倒なメールにすぐに対応して終わらせてしまうかのように、いらないシャツを捨ててしまうかのように、病の兆しはすぐにリリースしてしまおう。くれぐれも溜めるというのは、どうにかして避けてほしい。
体と心にこそ、健康というフリースペースが必要なのだから。
(つづく)
※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#21」は2015年9月13日(金)アップ予定。