7月24日、25日、26日の3日間、新潟・苗場スキー場にて国内最大級の野外音楽フェスティバル『FUJI ROCK FESTIVAL ’15』が開催された。 23日に行われた前夜祭を含めると延べ11万5千人もの観客が来場し、国内外の幅広いアーティストたちによるパフォーマンスに熱狂した。
19回目の開催となる今年はJAZZやワールド・ミュージック系のアーティストが出演するステージ「ORANGE COURT」の廃止、国内アーティストの出演数の増加といった変化がみられた。また、開催前には台風上陸が危惧されたが、前夜祭と初日の僅かな時間を除けば快晴に恵まれるという過ごしやすい天候となった。雨が降らなかったこともあってか来場者たちの服装も色鮮やかで、フジロックの魅力のひとつであるフェス・スタイリングを楽しんでいる人も数多く見受けられた。
初日のヘッドライナーを務めたFOO FIGHTERSは、6月のライブ中に足を骨折したため一時は来日キャンセルの噂もあったが、デイヴ・グロール(Vo, G)が豪華な台座に腰を掛けながら“ベスト・オブ・フー・ファイターズ”ともいえる曲を披露しファンの期待に応える熱いステージを行った。他にもヴィンテージ感溢れるライブで観客を沸かせたKITTY,DAISY & LEWIS、初出演にもかかわらずGREEN STAGEで堂々たるライブを行ったONE OK ROCK、自身の楽曲からスピッツやオリジナル・ラブなどのカバーまで自由気ままに演奏をした奥田民生など質の高いパフォーマンスが繰り広げられた。
2日目も前日の勢いそのままに朝から10-FEETやRIZEなどオーディエンスを熱く盛り上げるパワフルな演奏が次々と行われた。ハンバートハンバートやキセル、クラムボンといったフジロック常連組のアーティストもピースフルなライブを披露し、たくさんの笑顔をつくりだしていた。待望の初出演となった岡村靖幸は「フジロック、ベイベー!」の煽りとともに名曲を次々と披露し観客を歓喜させ、星野源は下ネタ全開のMCで観客を笑わせ、メインステージ初登場ということを感じさせないリラックスした様子で会場を優しく包み込んでいた。中日のヘッドライナーは2年ぶりの来日となるMUSEが務め、7thアルバム『Drones』を中心としたセットリストで世界最高のライブ・バンドと称さる実力を遺憾なく発揮していた。
最終日となる3日目も新人バンドの登竜門、ROOKIE A GO-GOから着実にステップアップしWHITE STAGEへとやってきたcero、満67歳にしてまさかの方向転換!?、イケイケのダンス・ミュージックで観客を仰天させたTODD RUNDGREN、昨今のEDMとは一線を画するパフォーマンスをみせたHUDSON MOHAWKEなど、ベストアクトの呼び声高いアクトが続出。また、純白のワンピースからブルーのレオタード姿になるという予想外の演出で観客の度肝を抜いた椎名林檎に、艶やかな声と神秘的な踊りでオーディエンスを圧倒したFKA twigs、といった今をときめくディーバたちのパフォーマンスもずらりと並んだ。そして、大トリとして登場したのは4月の武道館公演が大盛況だったNOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS。フジが年内最後のライブということもあり、気合の入ったパフォーマンスをみせ今年のフジロックを見事に締めくくった。
文 小川泰明/text Yasuaki Ogawa