——この映画が制作されたのはもう7年前のことですが、監督から見て、オンジェイくんが映画に出演することで成長したと思う部分はあったのでしょうか?
ヤン監督「作品が完成した当時は、オンジェイはまだ子供だったこともあって宣伝活動には一切参加させませんでした。中途半端な虚栄心を持ってほしくなかったのです。そういう意味では変わらなかったのですが、役者として成長するところはあったと思います。今、オンジェイの兄が作っている学生映画に出ていたりするのですが、すごく自信を持って現場に臨んでいるように見えるので。やっぱり、オンジェイに私が監督として何をやっているのか、すべて見てもらったことはいいことだったように感じます。彼の中で映画というものに対する理解が増したんじゃないかと思いますね。」
——これから先、オンジェイくんにはどんなふうに成長してほしいと思いますか?
ヤン監督「オンジェイはすごく繊細なところがあるほか、音に関してすごく長けている部分があるようです。音を聴いただけで音階がわかったり。ひょっとしたら今後は音楽の分野に進むんじゃないかなって思ったりしますね。または映画製作の分野はどうだろうと思って、この前「ライターはどう?」って訊いたら、首を振ってましたけど(笑)。まぁでも、自分が14歳だった頃のことを思うと、この先どんな道を選ぶかなんてわからなかったので、きっとオンジェイもまだ自分でわかってないんじゃないでしょうか。親としては、どんな分野にしろ自分の思う道を好きに突き進んで行ってもらえれば。もっと言えば、自分の好きなものを見つけてほしいなと思ってます。」
——では逆に、今のオンジェイくんから見たお父さんのことはどう思いますか?
オンジェイ「えーっと……。」
ヤン監督「私がいる前では言いにくいんじゃないかな(笑)。」
オンジェイ「んー……よくわかんないな。」
ヤン監督「でも、いいお父さんだろ?」
オンジェイ「じゃあ、そういうことにしておくよ(笑)。」
撮影 吉場正和/photo Masakazu Yoshiba
映像 山本雅映/movie Masateru Yamamoto
インタビュー・文 片貝久美子/interview&text Kumiko Katagai
チェコで初登場第1位!『トイ・ストーリー3』を上回る大ヒットを記録!
第69回アカデミー賞®外国語映画賞受賞ヤン・スヴェラーク監督がチェコ伝統のマリオネットによる人形劇に挑戦。誰もが子供のころ経験したおもちゃとの切ない思い出を、実写とパペットの見事な組み合わせで表現した。世界一“へなちょこ”なテディベア・クーキーの可愛くてちょっと奇妙な、そして心温まる大人のためのワンダーランド。
ストーリー
弱虫で甘えん坊のテディベア、クーキーの必死の大冒険!
オンドラは体が弱く、ぜんそく持ちの男の子。小さなころからテディベアのクーキーとずっと一緒に遊んできた。しかし古くなってしまい、汚れがぜんそくにも悪いということで、ある日母親がゴミと一緒に捨ててしまう。町から遠く離れたゴミ捨て場に捨てられ、ショベルカーに潰されそうなった瞬間、クーキーはひょっこりと動き出してゴミ捨て場を駆け下り森に逃げ込んだ。森の中には邪魔ものが次々現れ、クーキーの行く手を阻む。はたしてクーキーはオンドラの待つ家にたどり着くことができるのか!?
8月22日より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!
監督・脚本・製作:ヤン・スヴェラーク(『コーリャ 愛のプラハ』『ダーク・ブルー』)
撮影:ブラディミル・スマトニー
グラフィック・アーティスト:ヤクブ・ドヴォルスキー
音楽:マイケル・ノビンスキー
キャラクター・デザイン:アマニタ・デザイン
主演:オンジェイ・スヴェラーク
2010/チェコ/原題:KUKY SE VRACI/95分/カラー/5.1ch/16:9
提供:メダリオンメディア
配給:アンプラグド
公式サイト:kooky-movie.com
©2010 Biograf Jan Svêrák, Phoenix Film investments, Ceská televize a RWE.