「パンがうれしくなる仲間たち」を探しに、生まれてはじめてやってきたフランス。身寄りがなく語学力も0(ゼロ)だったわたしが、気付けば9か月、たくさんの出会いと健康に恵まれて、想定外にフランスを満喫しながら生きています。郷に入って郷に従いつつフランスをカスタマイズして快適に生きている、そんな裏ワザ10のことをこっそりご紹介します。
渡仏してからというもの日々感謝が尽きません。
フランスに入国させてくれた時点から感謝。
フランス語をしゃべれないわたしなんかの相手をしてくれているだけで感謝。
「メルシー(ありがとう)」は、何万回言ったことでしょう。
もう、自称マダムメルシーです。
あ、「パルドン(ごめんなさいっ)」も何万回も言ってるので、マダムパルドンでもあります。
感謝の気持ちを伝えるために、
マダム メルシーがよくする恩返しは、マッサージ。
自分を支えてくれた人のその身体にも感謝を伝えたいから。
マッサージは、下手に素人がすると
“恩返し” ならず 、“揉み返し” を招いてしまう恐れがあるので重々気をつけねばなりません。
そこで、初心者でも簡単にできるマッサージを。
手をお祈りする時のように組みます。
その手の甲を、恩返しする人の肩にスナップを利かせながら軽く叩きつける
美容院でよくやってもらうあれがいいと思います。
パンパンっていう音が聴覚からも気持ちよい、パフォーマンス感あるあれです。
確実に気持ちよくなってもらえます。
マッサージの口コミが広がって、わたしを見ると気持ちよくなってしまう人もいたくらい、
この恩返しが思った以上に反響があってうれしかったです。
マダム メルシーがたまにするもう一つの恩返しは 折り紙の鶴です。
折った鶴ではなく、鶴の折り方を贈るのです。
教養は財産といいます。
わたしには金銭的な財産が何一つないのですが、
数少ない知識の一つが彼らの一生の財産になるといいなと思って。
ですが、この折り鶴、フランス人にとってはなかなか難しいらしく、
途中であきらめて(というか、飽きて?)しまうようで、
一生の財産にしてほしいと願うこちら側は、逆に熱くなってしまいます。
「明日は2羽折るからねっ!復習しておいて!」
と、体育会系の部活さながら毎日ビシビシ折っていましたっけ。
お別れの時に、1ステップずつ折って台紙に貼付けた“折り方ブック”をプレゼントしたら、
泣いて喜んでくれました。
連日の特訓の開放感からの嬉し泣きともとれますが。。。
名付けて“鶴で恩返し”
マッサージも“鶴で恩返し”も、ともに時間を共有できた何にも代え難いひとときでした。感謝。
あ、この恩返ししなきゃ。
<プロフィール>
平居和恵(ひらい かずえ)
奈良県出身
芸能事務所、IT関連、食品メーカー広報などに在籍。パンが好きがゆえに、2014年8月会社、住まい、日本を飛び出しパンとマリアージュする “魅材・逸材・輝材” を探すためフランスに渡る。