「パンがうれしくなる仲間たち」を探しに、生まれてはじめてやってきたフランス。身寄りがなく語学力も0(ゼロ)だったわたしが、気付けば9か月、たくさんの出会いと健康に恵まれて、想定外にフランスを満喫しながら生きています。郷に入って郷に従いつつフランスをカスタマイズして快適に生きている、そんな裏ワザ10のことをこっそりご紹介します。
はじめてのフランス滞在。
言葉が不自由で、まだ街にも馴染んでいない。
そんな滞在初期にこそ、習い事をすることをおすすめします。
国籍が違っても初対面でも、
同じ趣味を持っていることで教室に入る前から既に仲間です。
特に柔道や合気道などの技ありの武術を習うのはいいと思います。
人間の骨の仕組みを利用した技が多くあるのでフランス人の骨格を知ることができます。
“国民性を知るにはまず骨格を知ることから”
といいますから(いわない?)。
相手の顔面を、手でぐいっと押すこともあるのですが、
男性でも女性(わたし)より確実に小さい頭蓋骨
視覚以上に触ると高いことを突きつけられる鼻骨
などを生々しく確認させていただき愕然としてしまうという、
そんな自分の国民性も知れます。
とにかく、日常の生活の中において、交際相手以外と手足を組み交わすなんてこと、
日本でもないのに、ましてやフランス人となんてあり得ませんから、
いろんな意味で“有り難い”コミュニケーションです。
互いに大胆かつ非日常的な体制で技をかけ合うことで
いつしか、対フランス人への緊張感がほぐれ
自身の身体もほぐれ
おまけに護身術も身に付いて
いいことしかありません。
また、武術を習っているフランス人には親日家が多いので、
「ありがとう。よろしくお願いします。」
って少し早口でしゃべると、
「おぉー!」と目をキラキラさせて喜んでくれます。
日本語ができてよかったと思う瞬間です。
ちなみに、わたしは“ロシアの合気道”といわれる「システマ」という格闘術を習っていま
す。
“気”で相手のクセや動きを感じ取ることをベースとした訓練なので、
フランス語がまだ十分に話せない方には特におすすめできます。
習っているのは、やはり職業が消防士さんや警察官の卵さんなど正義の味方の方が多く、
今後、わが身になにかあったらお世話になれるその頼もしさに“ぽ~っ”と高揚しつつ、
一方で、逆の意味ではお世話になっちゃいけないと、身が引き締まります。
最後に、
武術ならではで得られるもの。
それは、闘った者同士の絆です。
男の友情的な。
国籍、骨格、言葉、職業、性別を超えた絆が生まれる。
そんな技ありな習い事を、海外だからこそやってみるといいと思います。
<プロフィール>
平居和恵(ひらい かずえ)
奈良県出身
芸能事務所、IT関連、食品メーカー広報などに在籍。パンが好きがゆえに、2014年8月会社、住まい、日本を飛び出しパンとマリアージュする “魅材・逸材・輝材” を探すためフランスに渡る。